MORNING GIRL 講談社文庫

鯨統一郎【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2010/06/14
• JAN: 9784062766715

商品レビュー

2012/08/29

鯨 統一郎氏の元へ、
アメリカの無名作家の作品が送られてきて、
それを翻訳して出版してみた、という設定の
かなり実験的な作風の一冊。

文体がかなり変な感じなので、
はっきり言って読みにくい（^ ^;
セリフの前に、誰が喋ってるのかいちいち書いてあったり、
「心の動き」を括弧書きで全部説明しちゃったり、
何とも言えない変な感じ（^ ^;

取り上げているテーマはかなり壮大で、
「眠りとは何か」。

かなり荒唐無稽でご都合主義なエンディングは、
ある意味アメリカのベストセラーっぽいか（^ ^;
もしや壮大な何かのパロディーなのかも、
と思わせるような不思議な一冊（^ ^;

2011/09/03

一気に三作目。今度は長編だ。カバー絵の通りＳＦっぽいストーリー。内容もアーサー・Ｄ・クラークといった感じだ。

人類が睡眠を必要としなくなってくる。なぜ？ メタモルフォーゼ（変態）を扱ったと考えるのが妥当かどうかわからないが、ワクワクしながら読み進めた。

主人公が外人だからだろう。会話中心のアップテンポな展開はそのままだが、文体はこれまでとは少し異なるもののユーモアは忘れない。

でもＳＦとしての期待をしたもので、個人的にはさっぱり？だった。残念。

2010/07/23

人々の睡眠時間が極端に減少していって、やがてそれが人類の未来に大きく影響するというお話。

表紙買いだったのだけれど、もうひとつだったのですよね。
シナリオ調の書き方は好きではないし、登場人物の創作を翻訳したという体裁で、文章に熱が乗らないかんじで、なかなか入り込めなかった。
未来で人々の生活習慣が変わっているというのは良いのだけど、それを効果的に説明できていないものだから、主に恋愛の感情に付随する行動が腑に落ちなくて、序盤から入り込めませんでした。
そして不眠の原因。
理由はそれでも良いのだけど、犯人の口から説明はちょっとなあ。
主人公達が謎を解いた、という気は全くしなかったのですよ。
宇宙での不測の事態に人類の英知を結集して立ち向かうというストーリーを期待して、
ところが人類は観察を行うのみで、なんら実効性のある対策は打てず、最後に犯人のみが謎を語るという。
理由はそれで良いけど、もうすこしキャラクターに活躍の場を与えて欲しかったところです。
人類の英知を結集しておきながら、全然頭の良い人たちの会話に見えないところもだいぶマイナスでした。