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エレガントな象 続々葭の髄から 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/04/10 |
JAN | 9784167146092 |
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エレガントな象
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エレガントな象
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ユーモラスなタイトルに惹かれて読み始めたら、第3弾であった。 「月刊文藝春秋」の巻頭に連載されていた随筆集。 阿川弘之氏は、大正9年(1920年)広島生まれ。平成27年(2015年)94歳で没。 このエッセイの時期は、83歳から86歳くらいまで。 平成16年から平成19年にあたる。 タイトルと同じ「エレガントな象」はユーモラスで皮肉も効いて軽やかだが、重い話、文学界の話、そして何より、あの時代の人らしく、戦争の話も多い。 特に、阿川氏が席を置いていた海軍のこと。 お知り合いが亡くなって、という話題と、その思い出話も。 自衛隊のイラク派遣問題や、女系天皇の是非にも、考え抜かれた見解で言及している。 戦争を体験した人ならではのものの考え方という物があるように思う。 後の時代の人には書けないことだ。 エッセイとして楽しめたのはもちろんだが、大変勉強になった。
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「阿川弘之」のエッセイ集『エレガントな象 ―続々 葭の髄から』を読みました。 娘である「阿川佐和子」のエッセイに何度か登場しており、どんな人物なのか気になったので、エッセイを買ってみました。 -----story------------- 美しい日本語がここにあります。 表...
「阿川弘之」のエッセイ集『エレガントな象 ―続々 葭の髄から』を読みました。 娘である「阿川佐和子」のエッセイに何度か登場しており、どんな人物なのか気になったので、エッセイを買ってみました。 -----story------------- 美しい日本語がここにあります。 表題作である冒頭の随筆からして極上の一篇。 「檀ふみ」さんは、果たしてエレガントなのか、エレファントなのか? 政治家が使いはじめたマニフェストというカタカナのいかがわしさへの怒りを軸に、我々のまわりに溢れているカタカナ多用の日本語を嘆きつつ、ご令嬢の親友がエレガントという英語を教えようとしてエレファントと勘違いされたという笑い話をトッピングしてみせます。 女系天皇の是非を論じ、怪しげな片仮名外来語の跋扈に怒る。 また、亡き友、「古山高麗雄」、「阪田寛夫」の思い出を語り、若き日に愛唱した"田螺の歌"の謎を探る……。 闊達自在、ユーモアあふれ、品格ある日本語で綴られた『文藝春秋』の巻頭随筆集、第3弾。 ----------------------- 『文藝春秋』に連載された巻頭随筆をまとめた4作品のうちの第3集。 平成16年1月号から平成19年2月号に掲載された作品で、以下の38篇が収録されています。 1.エレガントな象 2.自衛隊イラク派遣 3.至誠に悖るなかりしか 4.「武士の家計簿」 5.古山高麗雄を偲ぶ 6.チャーチルの言葉 7.青酸カリの話 8.カーネーション流運転術 9.戦場の青春 10.阿部昭の思ひ出 11.アメリカ憎悪 12.読書雑記 13.夕暮れの高山寺 14.日本よい国花の国 15.馬鹿の日帰り 16.「紳士と淑女」二十五周年 17.イソップの教訓 18.「サッちゃん」の作者逝く 19.お茶漬けの味 20.からす騒動 21.江戸城大奥 22.聯隊・聯合艦隊 23.人の来ない港の教会 24.細川護貞さんの思ひ出 25.「不肖・宮嶋」さんへ 26.私の幸福諭 27.ある御老女の死 28.女系天皇是か非か 29.続・女系天皇是か非か 30.桜吹雪の春の宵 31.海軍記念日に思ふ 32.鬼の文壇回顧録 33.母の名をつけた原爆機 34.「お言葉」は終りましたが 35.台湾の川柳 36.田螺殿 田螺殿 37.風邪を引かない方法 38.再説・田螺殿 旧かな遣いなので、やや読み辛かったですが、取り上げられているテーマが興味深く、愉しめて読めたので、然程気になりませんでしたね。 同郷だったり、価値観に共感できる部分があったのが愉しめた理由だと思います。 『エレガントな象』では、娘「阿川佐和子」の親友「檀ふみ」が登場して、笑いで終わる作品ですが… カタカナ用語の多用を批判するところに共感し、 『チャーチルの言葉』では、「チャーチル」の民主主義の良さを逆説的に語った「民主主義は最悪の政治形態だ。ただし、これまでに試みられた他のすべての政治形態を別にすれば」を引用して、言論の自由と絡めて、考えさせられ、 『アメリカ憎悪』では、「フレデリック・フォーサイス」の作品が好きなことに共感を覚え、 『お茶漬けの味』では、大好きな「小津安二郎」作品が紹介されていることに好感を感じ、柿の種を使ったお茶漬けを食べたくなり、 『からす騒動』では、動物愛護と非愛護について考えさせられ、 『聯隊・聯合艦隊』では、連合と聯合の違いについて勉強させられるとともに反戦の意識に共感し、そして紹介してあった「梯久美子」の作品『散るぞ悲しき』を読みたくなり 『母の名をつけた原爆機』では、郷里ヒロシマと原爆について、アメリカの非情な好意に哀しみ(怒りを通り越す感じですね)を感じ、 『「お言葉」は終りましたが』では、「高島俊男」のコラム『お言葉ですが…』を読みたくなり、 等々… ここには強く印象に残った作品だけを幾つかピックアップしましたが、どの作品も興味深く読めました。 機会があれば、また「阿川弘之」作品を読んでみたいと思います。
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