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ウィタ・セクスアリス 岩波文庫
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ウィタ・セクスアリス 岩波文庫

森鴎外(著者)

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ウィタ・セクスアリス 岩波文庫

418

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1993/02/01
JAN 9784003100530

ウィタ・セクスアリス

¥418

商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2021/01/21

性欲。このよくわからぬもの。 金井君に筆を取らせた疑問に共感して読み始めたが、中身は只々、金井君の場合であった。おそらく、金井君のした作業を自分自身の場合で行ってみない限りはわからないままなのだろう。かと言って、気が進まない。この先もよくわからないもののままであり続けるのだと思...

性欲。このよくわからぬもの。 金井君に筆を取らせた疑問に共感して読み始めたが、中身は只々、金井君の場合であった。おそらく、金井君のした作業を自分自身の場合で行ってみない限りはわからないままなのだろう。かと言って、気が進まない。この先もよくわからないもののままであり続けるのだと思う。 p.89のおかあ様の「一種の表情」は、世の中の親がいつか通過する瞬間なのだろう。 「不必要な衝突」という表現は面白かった。

Posted by ブクログ

2021/01/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

性欲に冷淡だと自称する哲学者"金井湛(しずか)"が自己の性生活を告白していく自伝体小説。"人生は性欲のみではない"ということを暗示。 "ただならしているだけで、虎の恐るべき威は衰えていないのである。"が個人的に印象的なフレーズ

Posted by ブクログ

2018/02/14

 vita sexualis――ラテン語で「性欲的生活」の意。明治42年に発表された森鴎外の中編小説である。哲学者の金井湛(しずか)博士が少年時代からの性的体験について語るという体裁をとった小説で、内容が破廉恥だとして掲載誌『昴』は発禁処分を受けた。  …という話を聞いて、どん...

 vita sexualis――ラテン語で「性欲的生活」の意。明治42年に発表された森鴎外の中編小説である。哲学者の金井湛(しずか)博士が少年時代からの性的体験について語るという体裁をとった小説で、内容が破廉恥だとして掲載誌『昴』は発禁処分を受けた。  …という話を聞いて、どんだけエロい小説なんだとわくわくしながら本書を読み、がっかりした青少年は後を絶たなかったんじゃないだろうか。鴎外先生も罪な人だ。  実際のところ、多くの青少年が期待するような濡れ場は殆ど書かれていない。芸者通いをしたことが最後の方に少し書いてあるくらいで、それも肝心の場面はぼかして書かれているのである。これなら江戸時代の枕草紙の方がよほど刺激的だっただろうに。明治政府の基準、よくわからん。  むしろ興味深いのは、金井君が10代のころ通った語学学校の話だ。明治時代だから当然男子校で、寄宿舎では全国から集まった秀才達が寝食を共にしている。生徒は軟派と硬派に大別される。軟派は女子が好きな者、硬派は男子が好きな者で、今で言うノンケとゲイである。圧倒的多数は軟派だが、学内で威張っているのは硬派の方だ。そして硬派の中核をしめるのは九州人である。  金井君は若いから硬派に狙われる。11歳の時、寄宿舎で先輩に手籠めにされかけた。自力で逃げ出して事なきを得たが、それを父親に話すと、父親は平然と「そういう奴がいる。これからは気を付けろ」と言う。金井君は、それが男子校では避けて通れない厄災なのだと悟り、寄宿舎では短刀を常に持ち歩くようになる。  女性との性描写が極めて淡泊なのに対して、男色にまつわる話は微に入り細に入り、やけにリアルだ。フィクションとはいえ、実体験がなければこうも詳細には書けまい。あるいは明治政府が隠したかったのは、我が国がどうしようもなくホモソーシャルな国だという事実だったかもしれない。ともあれ、明治の青少年の生態を活写したという意味で、本書は貴重な作品であるには違いない。さすがは鴎外先生である。

Posted by ブクログ

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