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複眼の映像 私と黒澤明 文春文庫
990円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/03/10 |
JAN | 9784167773540 |
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複眼の映像
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複眼の映像
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商品レビュー
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20件のお客様レビュー
橋本忍が、自身の脚本家人生を振り返り、作品の制作過程や黒澤明などの巨匠との出会い・別れを描いた自伝。 以下2点を主に感じた。 ①脚本作りにおいて重要なこと ・共同脚本の必要性と、ライター先行型といきなり決定稿のメリットデメリット ・脚本において特に重要な要素はテーマ、ストーリー...
橋本忍が、自身の脚本家人生を振り返り、作品の制作過程や黒澤明などの巨匠との出会い・別れを描いた自伝。 以下2点を主に感じた。 ①脚本作りにおいて重要なこと ・共同脚本の必要性と、ライター先行型といきなり決定稿のメリットデメリット ・脚本において特に重要な要素はテーマ、ストーリー、キャラクターの3つである ・小説は読み物、シナリオは設計書という全く別の種類のものである ・「余裕のある仕事からは何も生まれない。知力も体力も喪失し、性根も尽き果て、血反吐を吐くような状態で尚も書き続け、仕事を成し遂げた場合のみ、初めて体得しうる、物書きの自負と自信と力に似たものである」 ②橋本忍と黒澤明の脚本作成の変化と、庵野監督との類似 ・共同脚本:「同一シーンを複数の人間がかき(複眼)、それらを編集して混声合唱の質感の脚本を作り上げる。それが黒澤脚本の最大の特徴なのである。」 ・「7人の侍」以降の、橋本忍と黒澤明それぞれの脚本作成における変化の仕方が異なる(橋本は本作によって脚本作りの段取りの重要性を知ったが、黒澤明は段取りを捨ててしまった) ・黒澤明と庵野秀明との類似を見た。庵野監督はシン・エヴァンゲリオンを作る際に絵コンテを作らずにさまざまなアングルからのプレビズを作った。またシン・仮面ライダーを撮影する際も、「殺陣が段取りになりすぎている」として0から殺陣のシーンを作り直しており、計画性ではなく偶発性に基づいて作品を作ったという。 これは七人の侍以降の黒澤明の脚本作りにおける姿勢である「いきなり決定稿」、つまり事前準備を避ける姿勢と類似していると感じた。
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半世紀も前、パリのシネマテークで何の予備知識もなく蜘蛛の巣城を観た時、二十歳の自分は初めて日本人であることの誇りや嬉しさを感じた。 橋本忍さんは黒澤明の影に隠れているが世界の映画史上最高の仕事を残した人だとこの本を読んで初めて知った。感謝。
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トップレベルの脚本家や映画監督の視点を垣間見れる作品だ。本書は黒澤明監督と共同で多くの名作を世に送り出した脚本家の橋本忍氏が書いた本だ。 「複眼」というキーワードに惹かれて本書を手に取った。複眼についての説明が現れるのは以下の部分。 「黒沢組の共同脚本とは、同一シーンを複数の人間...
トップレベルの脚本家や映画監督の視点を垣間見れる作品だ。本書は黒澤明監督と共同で多くの名作を世に送り出した脚本家の橋本忍氏が書いた本だ。 「複眼」というキーワードに惹かれて本書を手に取った。複眼についての説明が現れるのは以下の部分。 「黒沢組の共同脚本とは、同一シーンを複数の人間がそれぞれの眼(複眼)で書き、それらを編集し、混声合唱の脚本を作り上げるーそれが黒沢作品の最大の特質なのである」 想像していた「複眼の映像」ではなかったが、たしかに素晴らしい作品をつくるためには有効な手法だと思った。プロフェッショナルが集まって、分担して作品を作るのではなく、一つの箇所を同時にかつ別々に書いてみて、もっともよく書けているものを採用する。この方法は作品が完成するまでにかかる時間は増えるが、作品の品質は段違いに高くなりそうだ。また、同じ部分について他の脚本家が同時に書いた文章を見ることができ、お互いの文章を比較して、次回の執筆に活かすことができる。この比較による技術の向上効果が大きいように感じた。 この手法は日々の仕事や小中学校での作文に活かすことができるように感じた。仕事で同じことに関する報告書を数人で書かせて、お互いの文章を読みあうことで、他人との違い、自分の欠点、もしくは優位性を把握することができそうだ。
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