Disease 人類を襲った30の病魔

M.ドブソン(著者), 小林力(著者)

• 販売会社／発売会社: 医学書院
• 発売年月日: 2010/01/01
• JAN: 9784260009461

商品レビュー

2019/07/26

490.2-ドブ
300084555

　21世紀の現代に生きる私たちは、感染症の脅威に怯えて毎日を過ごすことはほぼ無いと思われます。しかし、人類は過去数千年、世界中で感染症（もしくは未知なるもの）の脅威に怯え、時には歴史に大きな影響を及ぼすほどの病に見舞われてきました。感染症の病原体として細菌が発見されたのは、19世紀の後半です。1928年に初めて治療薬である抗生物質（ペニシリン）が発見されましたが、実用化されたのは1941年です。日本に導入されたのは第二次世界大戦の終戦末期で、まだわずか74年しか経っていません。
本書は、これまで人類の歴史に影響を及ぼしてきた病気のうち、30を選んで紹介しています。このうち26疾患が感染症で、いかに感染症の脅威が大きかったかを示しています。内容は、病気の概略と歴史、社会に与えた衝撃、人々の苦しみや悲劇、解決策を求めて努力した人々の姿などが引用文、挿絵とともに描かれています。どれもリアルで、当時の苦しみが現実のように理解できます。いずれも教科書でどこかで教わった病気ですが、教科書とは異なった受け止め方ができると思います。そして、必ずしも過去の病気ではありません。
人々の幸福とは何か。飢えや貧困、豊かな国づくり、教育などは地球上のあらゆる人々の健康と幸福の基本的要因であることを、医療や福祉に携わる私たちに改めて教えてくれます。

2015/08/19

世界レベルで歴史的にどのような病気が存在してきたのかが分かる、とても面白い本です。
特に国際保健に興味がある人にオススメ！

2014/03/01

専門的知識がなくてもすいすい読めそうな、医学書ってよりは一般書よりの書。絵や写真が多数盛り込まれていて、視覚的イメージもわきやすい構成になっているから、図鑑としては楽しかった。ただ、風刺画にせよ、文章にせよ、やっぱりもともとが欧米向けに書かれているものだから、何か物足りなさってか、しっくりこない感じが残る。前に読んだ“ペニシリンはくしゃみ～”のが全然楽しめた気がします。