商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2010/02/25 |
JAN | 9784122052895 |
- 書籍
- 文庫
世界の歴史(24)
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世界の歴史(24)
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
人類誕生の地であり、悠久の歴史をもつアフリカ。多様な民族を関係性から読み解き、西洋やイスラームとの出会い、信仰や慣習から、人々の暮らしを浮き彫りにする。人類学の成果を得て、躍動する大陸の歴史を詳述する。
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アフリカ大陸に関する常識・固定観念を全く覆される本でした。つまり過去の歴史がない未開の大陸であるというマスコミなどの映像に支配されたものです。アフリカのマリ共和国は1000年前に栄えたマリ王国から名前を取ったり、ベニン、コンゴなどの国名も過去の王国から来ているとは新鮮な驚きです。そして19世紀にはアフリカのナポレオンと呼ばれたサモリ・トゥーレという人物がいて西アフリカに帝国を築いていた。同世紀後半に全てが欧州の列強に滅ぼされ、植民地化していった歴史。また解放奴隷の国リベリアにおける近年の内紛が解放されて戻り支配階級になった人たちと原住民の対立に起因するということも驚きです。この書物の後半はほとんどがイスラムの大陸への浸透の歴史に割かれていますが、東アフリカの植民地政府が内陸部への統治政策を進める中で読み書きのできるスワヒリ族を役人、教師として登用し、それが影響したということは皮肉なものです。この巻は歴史学者というよりは社会人類学者たちが書いた本であるだけに、ユニークな1冊でした。
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アフリカ大陸の歴史は民族学や考古学的アプローチが欠かせず、「復原」されなければならない無文字文化である。しかし口承などで蓄積された知識体系(特に家畜などに対する)の水準は高い[p102]。多様な民族、部族が入り乱れており、殺人などはよくあること[p139]で、大きな権力は生まれに...
アフリカ大陸の歴史は民族学や考古学的アプローチが欠かせず、「復原」されなければならない無文字文化である。しかし口承などで蓄積された知識体系(特に家畜などに対する)の水準は高い[p102]。多様な民族、部族が入り乱れており、殺人などはよくあること[p139]で、大きな権力は生まれにくかったのであろう。 しかし、ポルトガルと接触したゴンゴ[p175]などのような王国は割拠していた。その制度の中に奴隷制度もあり、後の欧州の奴隷貿易をスムーズにさせたかもしれない[p276]。 また、イスラーム教やキリスト教との接触が土着化する傾向があったとはいえ(コプト・キリスト教[p324]など、シンクレティズム)大きく世界史の中に巻き込まれた要素だろう。やがて、ワッハーブ派やネオ・スーフィズム、マフディーなどの流れにつながり、植民地支配へ根強い抵抗を示すようになって行く(ナショナリズム?)。 アフリカは決して未開ではなく、植民地化以前に多様な都市、文明は存在していた。その多様性がイスラーム教などの宗教との混交(シンクレティズム)や、植民地政策への反発などと複雑に絡み合って、現代につながっているのがわかる。
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