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新・雨月(下) 戊辰戦役朧夜話
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2010/02/19 |
JAN | 9784198629052 |
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新・雨月(下)
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
戊辰戦争はつらい。為政者である武士が意地をはったばかりに、領民がひと方ならない苦労をする。そういう意味では、容保の責任は、重い。兄さんの慶勝の処世の方が なんぼか領民は救われたであろう。しかし、尾張では、人は泣かない。桑名、会津で泣ける。そこまで追い込む必要があったのか。薩長でも...
戊辰戦争はつらい。為政者である武士が意地をはったばかりに、領民がひと方ならない苦労をする。そういう意味では、容保の責任は、重い。兄さんの慶勝の処世の方が なんぼか領民は救われたであろう。しかし、尾張では、人は泣かない。桑名、会津で泣ける。そこまで追い込む必要があったのか。薩長でも人物を得ることが、なかった。それも不幸であった。
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船戸与一による戊辰戦争、正確には奥羽列藩同盟の戦史小説である。史実に創作の主人公を加えることで、政府あるいは藩や征討軍の視点ではなく、庶民や間諜などの下からの視線で描いている。 そもそも会津若松城の攻防に関しては、白虎隊に代表されるように多くの本があるが、白河城や長岡城の戦い...
船戸与一による戊辰戦争、正確には奥羽列藩同盟の戦史小説である。史実に創作の主人公を加えることで、政府あるいは藩や征討軍の視点ではなく、庶民や間諜などの下からの視線で描いている。 そもそも会津若松城の攻防に関しては、白虎隊に代表されるように多くの本があるが、白河城や長岡城の戦いについても関連付けて記した本はあまりないように思う。その辺りの歴史を知る上でも役に立つように思う。本書では、創作の主人公たちと、歴史上の実在人物が交じり合うものの、大枠では史実で、細部は創作とおおよその区別はつくからだ。 戦争なので血なまぐさい話は多いものの、それでも時の流れというか勢いには抗しえないとか、現実的な官軍に対する観念的な会津藩とか、武士の理屈とは次元の異なる百姓町人の生き方とか、今に通じる様々な状況が含まれているのは、さすがである。単なるおもしろい小説ではなく、船戸与一らしさに溢れた本である。作者を知らずに読んでも、これは船戸与一の作と分かるに違いない。代表作のひとつに数えてもいいと思うできである。
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慶応4年3月11日の江戸開城から同年(実際には直前に元号が変わって明治元年)9月22日までの、わずか半年ばかりのお伽噺なれども、読み疲れた。元ネタたる会津戦争も、著者が描くとやはりハードボイルドで、歴史を見失いそうだ。奥羽越列藩同盟と新政府軍、烏合の衆同士が争う。ともに内輪の同盟...
慶応4年3月11日の江戸開城から同年(実際には直前に元号が変わって明治元年)9月22日までの、わずか半年ばかりのお伽噺なれども、読み疲れた。元ネタたる会津戦争も、著者が描くとやはりハードボイルドで、歴史を見失いそうだ。奥羽越列藩同盟と新政府軍、烏合の衆同士が争う。ともに内輪の同盟藩を信用できなかったり、牽制しあったり。そうした内戦の辛い結末を伝える重い小説において、物部春介とモモの舞台装置はどうにも違和感がある。長編なのに多くの登場人物たちそれぞれが通り一遍に描かれていて、もうひとつ入っていけず仕舞い。
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