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荷風全集(第8巻) 暴君・新橋夜話
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/01/26 |
JAN | 9784000917285 |
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荷風全集(第8巻)
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本巻には1911(明治44)年から1912(明治45/大正元)年にかけての作品が収められている。荷風は32歳から33歳。 本巻の目玉は作品集『新橋夜話』である。本全集が初版主義であるために、岩波文庫の『すみだ川・新橋夜話』とは収録作品にかなり異動がある。 いよいよ花柳小説作...
本巻には1911(明治44)年から1912(明治45/大正元)年にかけての作品が収められている。荷風は32歳から33歳。 本巻の目玉は作品集『新橋夜話』である。本全集が初版主義であるために、岩波文庫の『すみだ川・新橋夜話』とは収録作品にかなり異動がある。 いよいよ花柳小説作者宣言とも言えるこの作品集、まだ若い思弁を含むものもあるが、「掛取り」「松葉巴」あたりのように、実に情趣深い傑作があって印象深い。一方ではストーリー性の強い「色男」などはモーパッサンのコントのようで、それはそれで面白い。 この初版『新橋夜話』には「わくら葉」という3幕のやや長い戯曲が入っている。文学を志したい青年の父親がそれを許さず実業家になれと迫るのだが、荷風とその父親との関係そのままだ。第1幕には父子のあいだで激しい口論が起きる。そこで青年がまくし立てる理屈は、恐らくその時分に荷風自身が父親に対して抱いた思いをストレートに表したものにしか見えない。こんなの書いて大丈夫だったのだろうか? 実父との関係を危うくしなかったか? そして荷風の父が亡くなるのはこの翌年なのである。 いつの世にも起こる新旧世代の対立を、明治期の急進的な社会の変化に重ねる理屈は、冷静に考えればそれらは分離して見るべきだろうという気がするが、なにしろそういう時代だったのだから仕方がないのかもしれない。
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