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たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2009/12/15 |
JAN | 9784048850421 |
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たった独りの引き揚げ隊
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商品レビュー
4.5
10件のお客様レビュー
平和学習の本にオススメされていて読みました。 とても良かった。 何が良かったかというと、暗い内容なのに明るく読めるところ。 主人公はビーチャ、表紙の少年(当時6歳)です。 名前から外国人かな…と予想されますが、日本人とコサックのハーフだそうで。 コサックといえば、コサックダンスし...
平和学習の本にオススメされていて読みました。 とても良かった。 何が良かったかというと、暗い内容なのに明るく読めるところ。 主人公はビーチャ、表紙の少年(当時6歳)です。 名前から外国人かな…と予想されますが、日本人とコサックのハーフだそうで。 コサックといえば、コサックダンスしか思い浮かびませんでしたが、知見が改められました。 そんな歴史があったとは…詳しくは是非読んでみて下さい。 作者は石村博子さん、日本人です。 ビーチャことビクトル古賀さんと日本で知り合い、話を聞き、本にしました。 四年かかったそうです。
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- ネタバレ
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またまたすごい本に出会った。 満州からの引き揚げの物語と言えば、藤原ていさんの「流れる星は生きている」が強烈な印象があるが、これは全然違うパターンの引き揚げの話。 満州でコサック出身の母と日本人商人とのハーフとして生まれ、草原で馬を乗り回し、コサックとしての誇りを抱いていた少年が、たった一人で徒歩で引き揚げてきた話。その後、「ビクトル古賀」として格闘技で有名になった主人公に取材して、その生い立ちや生々しい終戦前後の満州の様子、引き揚げのときの様子を描いたルポルタージュの大作です。 一応、正規の方法で引き揚げ隊に入り、父親の知り合いと行動をするつもりだったが、引き揚げ列車は出発した瞬間から殺伐とした感じになり、大人たちは誰も一人ぼっちの子どもに手を差し伸べようとはせず、皆自分が生きて帰ることだけで精いっぱい。(それは、藤原ていさんの「流れる星は~」でもしっかりと描かれていた)。コサックとしての訓練を受け、どんな状況でも自分で生きる力が備わっていたビクトルが、余裕の表情で鼻歌を歌っているのが気に食わなかったらしく、「お前ロシア人だろ!」と大人から蹴り飛ばされ、列車から降ろされる。 しかし本人はまったく恨んだりはせず、「あのまま日本人の大人たちと行動していたら死んでいたかもしれない」と振り返る。 弱りはてた引き揚げ隊一行は実際、盗賊たちの格好の餌食になっているし、線路わきには行き倒れになった人達の死体がごろごろと転がっていた。ビクトルは必要になったら死体から靴やベルトなどをはぎ取り、中国語やロシア語を駆使して通りかかった町のロシア人に助けてもらったりしながら、本当に、徒歩で!引き揚げてきたのだ。 ご本人は、昨年(2018年)11月に83歳で亡くなった。格闘家として有名だったようだが、その少年時代やコサックというものに注目が集まることはなかった。彼の物語を掘り起こしたことで、最後のコサックの人々にも光をあて、教科書ではなかなかわからない、終戦前後の満州やシベリアの実態も人々の暮らし目線でわかる物語になっていてとても興味深かった。
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旧満州、ハルビンにいた時に読んだ本。激変する歴史の中で、活き活きと生きるビクトルに心打たれました。久々に夜を徹して読んだ本。 青々と広がった空、柔らかい草原、その中を走る馬たち。全て頭の中で映像化される作品です。
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