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上海 多国籍都市の百年 中公新書
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上海 多国籍都市の百年 中公新書

榎本泰子【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2009/11/25
JAN 9784121020307

上海

¥880

商品レビュー

3.4

12件のお客様レビュー

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2020/05/08

ここ数年、散々っぱら上海に行ったのに歴史について何も知らないなあと思っていた。上海の近代史を知りたかったのでこの本を。といっても近代史しかないんだけど。そもそも租界って何なのかもあやふやだったのだけど、こんなにも色んな国が出張っていた場所とはしらなかった。その色んな国、イギリス、...

ここ数年、散々っぱら上海に行ったのに歴史について何も知らないなあと思っていた。上海の近代史を知りたかったのでこの本を。といっても近代史しかないんだけど。そもそも租界って何なのかもあやふやだったのだけど、こんなにも色んな国が出張っていた場所とはしらなかった。その色んな国、イギリス、アメリカ、日本、それぞれの視点からみた上海の変遷を垣間見ることができる。こんな人たちもいたのかと驚きだったが、ロシア難民とかユダヤ難民から見た上海というのも描かれる。そして中国近代史の主人公たち、孫文、蒋介石とか毛沢東たちが、上海を舞台に戦争・革命が繰り広げる。ああこういうことが起きてたのねって、初めていろいろな中国史が腹落ちした気分になれた。上海ってイベントフルな場所であったことをつくづく感じさせられる。文革後10年以上眠っていた上海を、最後に蒋介石が再び目覚めさせる、っていう終わりも良かった。

Posted by ブクログ

2020/01/21

読後感は心地いいとは言えないが、楽しいばかりが歴史じゃない。上海旅行中に読んだ。 上海の百年がイギリス人、アメリカ人、ロシア人、日本人、ユダヤ人、中国人の視点で読み解かれる。 この構成は読めば読むほど適切だと思えた。上海は多様なルーツを持つ人たちによって発展した街だからだ。 ...

読後感は心地いいとは言えないが、楽しいばかりが歴史じゃない。上海旅行中に読んだ。 上海の百年がイギリス人、アメリカ人、ロシア人、日本人、ユダヤ人、中国人の視点で読み解かれる。 この構成は読めば読むほど適切だと思えた。上海は多様なルーツを持つ人たちによって発展した街だからだ。 考察対象の時代・国籍の人の手による文章が引用されるので街の雰囲気が分かる。戦前の日本人街にはあまり住みたくない。 筆者の専門が比較文化研究であるため、花開いた音楽の話はとてもよかった。文化を育む人々の貢献。

Posted by ブクログ

2018/02/09

 中国(中華人民共和国)の政治の首都は北京だが、経済的には上海が首都と言っても過言ではない。日本における東京ほど一極集中ではないが、序列を付けるなら間違いなく一番になるだろう。上海生まれの中国人は、自分が「上海人」であることに強烈な自負を抱いている人が多く、他の地域から上海に来た...

 中国(中華人民共和国)の政治の首都は北京だが、経済的には上海が首都と言っても過言ではない。日本における東京ほど一極集中ではないが、序列を付けるなら間違いなく一番になるだろう。上海生まれの中国人は、自分が「上海人」であることに強烈な自負を抱いている人が多く、他の地域から上海に来た中国人に対して謎の優越感を持っていたりする。  ウン千年の歴史の中で一度も王朝の首都になったことのない上海が、なぜ今の地位を得たのか。それはかつてここに租界があったからだ。本書の副題にある百年というのはかなり正確な数字で、イギリスが最初に租界を作った1845年から日本が撤退する1945年までのちょうど100年間、上海は外国人が支配する街だった。  租界には中国(清)の統治が及ばず、だからと言って英米仏の本国政府が真剣に統治するわけでもなかったため、租界は一種の自治区となり、様々な事情を抱える人々が世界から集まってきたようだ。「魔都」と呼ばれたその怪しげな雰囲気は、そういう人々が作り出したのだろう。本書はそんな上海の歴史を、イギリス人、アメリカ人、ロシア人、日本人、ユダヤ人、中国人の視点から解説している。  ただ商売するだけだったイギリス人やアメリカ人と違い、革命から逃れてきたロシア人やナチスから逃れてきたユダヤ人は、上海に華やかな文化芸術をもたらしたという話などは大変興味深い。  やがて日本が進出して上海も占領下に置かれると、敵国人である英米人は去り、最後に日本が敗戦して撤退すると、上海は100年ぶりに中国人の街に戻ることになる。それから現在までの70年余りの期間はまた別の波乱があったようだが、それはまた別の物語となる。  私が上海に住んで一年半余りだが、かつて日本人が多く住んでいたというエリアには行ったことがなかった。もうその時代の面影など残っているはずもないが、道だけは当時とあまり変わっていないようなので、一度くらい歩いてみようと思う。

Posted by ブクログ

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