テキスト 国際会計基準

桜井久勝【編著】

• 販売会社／発売会社: 白桃書房
• 発売年月日: 2009/11/26
• JAN: 9784561351849

商品レビュー

2011/09/18

IFRSの基本を身につけるのには最適。淡々と記述されているため面白味はないかもしれないけれど、IFRSの基準書に沿って要領良く纏められている。また、日本の会計基準との差異もコンパクトにまとまっている。

まずは本書のような概説書でポイントを押さえ、その後、自社に関連しそうな部分をIFRSの原文などで深堀すれば良いと思う。

2010/07/09

正月休みにIFRSをおさらいしておこうと購入。IFRSの本がいろいろある中でこれを選んだのは、現時点で有効なIAS/IFRSの基準をすべて網羅、執筆者が全員学者、という点。実務書よりは大学のテキストのような基本書ぽいのを読みたかったので。

予想どおりいかんも大学のテキストに仕上がっている。各基準の内容を項目どおりに説明した後、日本基準との比較を説明する、というシンプルな構成で基準の全体像が見渡せるようになってる。おおかたのIFRS本にあるような、導入のヒントとか経営への影響とかの記述は一切ない。でも、余計な工夫をしていないところがかえっていい。特に、基準を機械的に番号順で配列しているのなどは、基準原文を参照するのにも迷わなそう。

一方で、あまりにそっけなくて実務で使うには向かない。先述の通り機械的な配列だし、重要論点とそうでない論点の強弱もない。全基準を網羅していることと引き換えに、各基準10ページくらいしかない。IFRS導入のための手引きなどにはなりそうにない。

まあ、用途に合わせて選べばいい。実務書はコンサル会社や監査法人からたくさん出ているから、実務にはそちらを選べる。一方で、大学や大学院での使用に耐えられるような学者によるしっかりとしたテキストはそれほど多くない。だから、こういう本は結構貴重なんじゃないかと思う。