実践スピリチュアルケア 病む人の心に寄り添うために

リチャード・F.グローヴス, ヘンリエッタ・アンクラウザー【著】, 西野洋【訳】

• 販売会社／発売会社: 春秋社
• 発売年月日: 2009/10/30
• JAN: 9784393716229

商品レビュー

2011/09/18

スピリチュアルケアって、怪しいし、気味悪いって思っていました。
「亀田病院のチャプレン？」うーん、しゃべったことないし接点もないけど、何かクリスチャンのためだけにいるのかな、私には関係ないって思っていました。でも、この本を読んで納得しました。（ちなみにうちのチャプレンはアメリカで20年以上経験したうえで、今、亀田でチャプレンとして仕事されています。）

この本は500人以上看取ったチャプレン（病院や組織で働く牧師）が自分の経験した死にゆく人々の事を書いています。
１部は「スピリチュアルケアの歴史」、2部は「患者たちの物語」、3部は「道具箱」（スピリチュアルケアに使えるもの）という構成で書かれています。

今現在、亀田病院の緩和ケア科でチャプレンとともに勉強させてもらっていて納得できるところも沢山あります。チャプレンって宗教を超えて、患者の魂の痛みに寄り添う存在であること。チャプレンは宗教を超えて会話をしてくれること。すばらしい仕事ですね。
チャプレンでなくてもアナムカラ＜魂の友＞となる方法も書いてあります。半分読み物、半分教科書的な感じの本です。

具体的な方法として、私が使えるなと思ったのは、芸術療法（いたずら描き、絵による日誌、粘土細工）、ブレスワーク（呼吸法）、ドリームワーク（見た夢を思い出して書き残す）、赦しの作業、魂の日記（心を静めて、プライバシーに配慮し、書く。早朝が雑念なく書ける）、ライフレビュー、スピリチュアル地図、音楽療法でしょうか。

勉強になりました！

（亀田の西野先生がこの本を出版されたときに、「何、その本？」って思ったけど、すばらしい本でした！）