鳩山家四代 祥伝社新書

梶尾英之(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2009/10/01
• JAN: 9784396111816

商品レビュー

2011/06/05

［　内容　］

［　目次　］

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

［　参考となる書評　］

2009/12/22

何が受け継がれてきたのか～秀夫は岡山（美作藩）勝山藩の江戸留守居役の四男で漢学塾で学び，大学南校の秀才の一人で開成学校に改組それて法律科の首席となり上位４名中の一人として米国留学し，留学先でも首席・最優秀博士論文に選ばれ，帰国後明治１４年に結婚披露宴を行い，法律事務所を開き，フェアプレイの精神で外国の交渉で名を売り，第二回の衆議院選挙から当選し，米国式の家庭教育（朝３時半起床）で子供を秀才に育て，一人は法律家から市会議員・国会議員とし，弟・秀夫は高名な民法学者に仕上げた。江戸市議会のボスとなった一郎は地下鉄工事で頭角を現し，金融恐慌の混乱に乗じて，政党を乗り替えながら野党として活躍し続け，外交手腕も買われて，大臣職が廻ってくる。大政翼賛会に反対して，戦後は民主党結成に重要な役割を果たし，唯一の男子・威一郎に遠縁の薫子を引き合わせ，外務大臣から総理大臣となり，ソ連との交渉帰国後に辞職する。威一郎の威は尊敬するウィルソン米大統領からとられ，短現の海軍士官となって主戦後大蔵官僚として次官まで勤め，息子・邦夫が秘書を勤めていた田中角栄に説得されて，参議院議員となるが，廻ってきた役回りは外務次官だったが，悲願は＄１＝￥１００からのデノミだった。角栄秘書の邦夫は一郎譲りの奔放さで先に東京の選挙区から代議士となり，東大工学部から大学助教授から父の秘書となっていた由起夫は，北海道に祖父一郎が開いた農場の選挙区を威一郎の盟友に譲られて当選。祖父・一郎の主流から距離を置きながら党派を乗り替える戦法で，民主党政権の首班となったが，口が重くて調整役に徹する生き方は父譲りであった～北海道に縁があったのは和夫が日露戦争当時に北海道に作った農場が縁であるが，邦夫が先に東京から立候補したため，北海道に住み，立候補・当選している。自民党は小泉さんの宣言通りぶっ潰され，小澤さんの西松スキャンダルで影の存在となり隠然とした力を発揮し続けるが，社民党と国民新党を巻き込むことで，マニフェストを反古同然とし，調整役の由起夫が最後の決断をする政治的状況がそれぞれの顔をテレビで見せることで成功している。スキャンダルは母親からの献金だが，それも何とかなりそうな予感はある。妻と夫の共同家庭教育が秀才を作ってきたのだろう