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ノーベル賞経済学者の大罪 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2009/10/09 |
JAN | 9784480092502 |
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ノーベル賞経済学者の大罪
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商品レビュー
3
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※このレビューにはネタバレを含みます
2009年(底本2002年)刊。著者はイリノイ州立大学シカゴ校人文学部教授。 著者はシカゴ大学経済学部教授という経歴もあり、「ああシカゴ学派ね。どのようにして自説を展開し、いわゆる自由放任主義を正当化するのかな」と期待して読み始めた。 が、その期待は雲散霧消しガックリきてしまう。 まず、他説批判は自説の根拠足り得ない(他説・自説双方の誤謬を排除しないから)ことからすると、サミュエルソンらへの批判だけでは足りない。しかしながら、本書の叙述の大半がそれに止まっている。 そして、自説、すなわち「舵取りのレバーから手を放そう」ということの根拠についても……である。 それは、例えば、「長期的には…楽観できる。私の楽観主義はシカゴ学派の信念に由来する」 「三つの悪徳が究極の悪であるのは(サミュエルソン的経済学批判)、科学として失敗したからというより、反自由主義的であるからだ」 というものであって、こんな論法では、「神の御手」を信じる宗教家とさして変わりがない。 そもそも自由放任主義と言っても、社会を構成するルールそのものも自由だというのではなかろう。お金を稼ぐために他者から強盗する自由を認めるわけではない。独占禁止法に代表されるように、自由の実現のための何らかの規制と歯止めを設けるものである。 すなわち、自由放任という言葉は、決して放任を意味せず、彼らはこれを欺瞞的に用いているのだ。換言すれば、シカゴ学派と主流派?は、自由を認める範囲に差があるだけで、それは程度の差でしかない。 ならば、シカゴ学派がすべきは、自分が措定する制度を経済効用分析で妥当な数値になることを明らかにしなければならない。それがなければ、他説批判がそのまま自分の側に返ってくるのではという印象を受けてしまう。 勿論、①シュミレーション分析の重要性、②経済学に歴史という側面を加味して議論すべき、③机上の議論だけではなく実証分析は大切という重要な指摘が、本書に存在していることは否定するものではない。
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現代経済学は砂遊びに過ぎないとして、実証分析がなされない経済学の状況を批判しています。なかなか痛快な本。この本を読み終わったちょうどその日に、サミュエルソンが亡くなったので、印象強く残ったかもしれないが、なかなか面白い本です。
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