商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2009/10/09 |
JAN | 9784062900652 |
- 書籍
- 文庫
豆腐屋の四季
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豆腐屋の四季
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
弟に勧められて読む。自分ではまず選ばないので、ありがたい。 貧乏で身体の弱い豆腐屋の生活の中で生まれた短歌と随筆で、すごく良かった。素朴な感じとか、ひたむきさ、実直さが良い。 しかし、筆者がどこか真面目過ぎ、自身の滑稽味を楽しむ感覚に欠けるところが惜しい。 例えば、妊娠して...
弟に勧められて読む。自分ではまず選ばないので、ありがたい。 貧乏で身体の弱い豆腐屋の生活の中で生まれた短歌と随筆で、すごく良かった。素朴な感じとか、ひたむきさ、実直さが良い。 しかし、筆者がどこか真面目過ぎ、自身の滑稽味を楽しむ感覚に欠けるところが惜しい。 例えば、妊娠してあまり構ってくれなくなった妻について、 妊りしおのれ尊みたやすくは我触れしめぬ妻となりたり という歌を新聞に投稿して採用され、妻に恥ずかしいと叱られたが、これも記録だと抗弁する。 そこまでプライベートなことも短歌のフォーマットに乗せればみんなで共感できるんだと感心する反面、さすがに奥さんが気の毒だと思う。
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豆腐屋を営みながら 庶民の暮らしを歌にした青年の 日常。 貧しさ、家族への思い、 仕事というもののとらえ方、 いまの日本からすると外国の話のよう。 こうした作品が大手から出版されて、 テレビドラマにまでなった 時代の感受性は、 ひょっとしたら羨むべきものなのかも しれない。
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なるほど非常に素朴で流麗な言葉を連ねて、非常に美しい精神世界を活写してゆく、稀なる小説。 もはや同じ日本のことについて書かれたのだということを鑑賞するには、超絶的にかけ離れてしまった現在と当時(昭和43年)。だがおそらく通じる、この小説は。 漫画のようと書くと語彙力のなさを痛...
なるほど非常に素朴で流麗な言葉を連ねて、非常に美しい精神世界を活写してゆく、稀なる小説。 もはや同じ日本のことについて書かれたのだということを鑑賞するには、超絶的にかけ離れてしまった現在と当時(昭和43年)。だがおそらく通じる、この小説は。 漫画のようと書くと語彙力のなさを痛感するが、漫画的な貧窮、いまとなっては想像しえない幼な妻の献身、もどかしさこの上ない「手紙」「新聞投稿」というコミュニケーション手段など、これら絶滅文化は、何か人間を鍛錬する装置でもあったのか。 いや、そうではなく、この「豆腐屋の四季」の精神世界は昭和43年の日本においてもアナクロいものであり、センセーショナルだったのである。 突き抜け方が尋常ではない。 自費出版の翌年には、大手出版社からの刊行のみならずTVドラマ化されるというサクセスストーリーなのであるが、本作が放つ異様な吸引力を思えば、さもありなん。
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