商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2009/09/30 |
JAN | 9784198628192 |
- 書籍
- 児童書
父さんと、キャッチボール?
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父さんと、キャッチボール?
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どうしてもじっとしていられない。急にカーッとなって、めちゃくちゃになって、自分がおさえられなくなってしまう。そんなジョーイが、夏休みに母を離れ、父親のもとで暮らす物語。父親は、ジョーイとのこれからを真剣に考えようとしているのだけれど、彼自身お酒を飲むとおかしくなってしまう。にもか...
どうしてもじっとしていられない。急にカーッとなって、めちゃくちゃになって、自分がおさえられなくなってしまう。そんなジョーイが、夏休みに母を離れ、父親のもとで暮らす物語。父親は、ジョーイとのこれからを真剣に考えようとしているのだけれど、彼自身お酒を飲むとおかしくなってしまう。にもかかわらずお酒をやめられない。 父親もおばあちゃんも、ちょっとイカれていて、正直読んでいて怖かった。ジョーイに早く逃げてほしかった。でも、父親はジョーイと波長の合う部分も少なからずあるし、ときにジョーイを真剣に思っているように感じられることもある。それで、ジョーイはすぐに逃げ出さずに留まってしまう。そこが「あぁーもう!」と、もどかしかった。 「たがいにだいじに思いあう父と子の絆を」描き出した話だと本の袖で紹介されているが、父親のジョーイへの思いはあまりに幼稚で、子どもを育てる資格がないと思う。父親に変化が起こるのかと期待して読み進めたが、最後まで父親は父親のままだった。でもそれがリアルでいいなと思った。さらに、ジョーイが「だれかが助けてあげなくちゃだめなんだよ」「父さんには、ぼくが必要なんだ」と母に言う場面にはハッとさせられた。この子は、父親の中にある自分との類似に気づいていて、だから父親の抱えている苦しみもわかるんだなと。ジョーイの優しさが、父親に対する嫌悪感を少し和らげた。 「何か問題があったとき、子どもたちがどうするのがいちばんいいのか、まわりのおとなよりも、子どもたち自身のほうがわかっていることがある」と著者があとがきで書いている。ジョーイははたから見ると未熟すぎるが、内側ではきちんと自分のことをわかっているし、自分を正しくコントロールしようと闘ってもいる。感覚的に今の状況がよいかわるいか、どうするのがよいのかもわかっている。ただそれが、できないときがあるというだけ。 学校司書という、子どもたちと毎日接する仕事にあたる身として感じることが多かった。あまり好きな本ではないけど、問題を抱えたジョーイの魅力にふれることもできたし、引き込まれた。
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ADHDのジョーイは母親と二人暮らし。今年の夏休み、初めて父親と過ごすことになった。ジョーイは不安と期待を抱えて父さんの家にむかう。初めのうちはうまくいきそうだったのに、父さんがビールに手を出し始めてから、少しずつ何かが狂い始めて…。 ジョーイの持ち前の明るさやユーモアで、周りの...
ADHDのジョーイは母親と二人暮らし。今年の夏休み、初めて父親と過ごすことになった。ジョーイは不安と期待を抱えて父さんの家にむかう。初めのうちはうまくいきそうだったのに、父さんがビールに手を出し始めてから、少しずつ何かが狂い始めて…。 ジョーイの持ち前の明るさやユーモアで、周りの人はなんとなく幸せになる。しかし父親は「父親らしく」なろうとするあまり、ジョーイの気持ちや考えを聞こうとしない。決して大人になれない父親。家族を幸せにするために必要な、ほんのひとかけらの「思いやり」より、自分を立派な父親に見せたいという見栄だけにしがみついている彼は、どこにでもいる男のように思える。 深刻そうな内容なのに、テンポのよさとユーモアのセンスで一気に読ませてくれる秀作。
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