商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2009/09/25 |
JAN | 9784087464818 |
- 書籍
- 文庫
化身(下巻)
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化身(下巻)
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商品レビュー
2.3
3件のお客様レビュー
「至福」というべきか「恍惚」というべきか、女は悦びの夢野をさ迷い、男は果てたあとの気怠さのなかで、さらに女を抱き締める。
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内容はくだらないし、渡辺淳一の画一的で古くさい男女談義も退屈だけど、なんか読ませる。 今回の結末は気に入った。
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秋葉は、金持ちで浪費家ですね。 三代目の唐草模様という感じだろうか。 文芸評論家で大学の講師。 収入がどれくらいあるのだろうか。 スペイン パリへ ファーストクラスで二人で旅行に行く。 広尾のマンション。家賃の支払い。月々の手当 20万円。 車を買ってやる。 離婚した妻と娘たち...
秋葉は、金持ちで浪費家ですね。 三代目の唐草模様という感じだろうか。 文芸評論家で大学の講師。 収入がどれくらいあるのだろうか。 スペイン パリへ ファーストクラスで二人で旅行に行く。 広尾のマンション。家賃の支払い。月々の手当 20万円。 車を買ってやる。 離婚した妻と娘たちに 仕送り。 そのうえで、アンティークブティックを開くのにお金を出す。 2500万円と350万円。 そして 霧子がアメリカに行くといって、お金を出す。 ブティックって、そんなに儲かるのかな。 霧子に金銭感覚はあるのか?秋葉はまるっきりない。 秋葉は 霧子にとってATMのような 役割を果たしている。 かぎりなく 泥沼に 落ち込んでいく あわれなおじさん。 足長おじさんというより 王様の振る舞いというべきか。 そこには、限界がある。限界は、心ではなく、お金かもしれない。 欲深きおじさんの悩み。 霧子は生活を変えたいと思った。 『優しすぎる。縛りすぎる。』と田部史子はいう。 化身のテーマは『風の中の羽根のように、いつもかわる女心。』 身体と心は一体ではないように思える。 心だけでは、実在がない。 身体だけだとするならば、寂しすぎる。 人は 心で人を好きになり、身体で確かめる。 しかし、心は移ろい、身体は衰退する。 そのバイオリズムの中で、人生の彩りを添える。 村上由佳の解説が面白かった。 渡辺淳一を『社会的規範を逸脱する小説』を書く人と規定する。 渡辺淳一は『実体験ではなく実感』を書くという。 男が本物の男だった時代の残り香。という表現がいいなぁ。 たしかに、そういう時代はもうこないのかもしれない。 実感をもとに物語をつむぐ。そして 的確な描写によって、 実感を脳内で一滴ずつ蒸留して小説とする。 自分の血肉をばっさばっさと切り売りしては、また新たな体験と実感を通じて血肉を得る。 とりわけ恋愛小説を書く作家にとって、自分の作品から艶がなくなることこそは恐怖である。 異性への熱情こそが筆を支える生命力であり、原動力だから、身の内に恋心を絶やすわけにはいかない。 『エゴイストという名の才能』『自己陶酔的な鈍感力』 男の弱さ、滑稽さ、矮小さ、哀しみ、身勝手さ。 男にだけに許される 女々しさ。 そういうなかで、女はきりりとしているものだ。 村上由佳は言う 『とくに快楽のみを追い求めた性愛を通して行き着く果てのエクスタシーは、女にとっても、やはり死以外の何ものでもない』 若さを前にして、老いを感じながら、老いに反発し、老いになえていくことで、老いを知る。 女を知らない女が、女となったときに、もはや女に戻れない。 人に頼っていきながら、頼ることをやめることを自覚したときに、 自立した個人が形成される。頼るということの甘え。それを思い切って断ち切る。
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