狩眼 講談社ノベルス

福田栄一【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2009/09/09
• JAN: 9784061826496

商品レビュー

2012/05/13

刑事ものですが、仕掛けとかどんでん返しとか凝ってて、本格好きな人でも面白いと思う！
ちくそー、だまされたーｗ（←ほめている）
そして主人公？ ワトソン役？ の伊瀬刑事は若い男前！（多分！）

2011/05/26

多摩川河川敷で発見された死体。
死体は執拗に傷つけられ、両眼がくり抜かれていた。
行き詰る捜査の中、若手刑事の伊瀬は突如別の任務が与えられた。
それは、警視庁本部からきた戸垣と組んだ、独自の調査だった。

福田栄一の長編。
得意とする青春ものではなく、刑事のコンビがシリアルキラー相手に奮闘するという形式だ。
若手とベテランのコンビ、ミステリの王道ともいえる設定で、著者自身も本書のそでで
「王道をいく設定がお好きな方は、ぜひとも読んでみてください」
と書いている。

うまい小説だと思った。
被害者の共通点を探しだす、いわゆるミッシングリンクものになっているのだが、
捜査を行う戸垣は一切手のうちを明かさずに、主人公である伊瀬を引っ張りまわす。
彼が何も言わないのには理由があり、その理由も本編には関わってくる。
この構図によって捜査自体は進み、必要な情報が集まっているにも関わらず、最後まで事件の全貌が見えてこない。
確かな手応えがあり、進展しているはずなのだが、次に何が起こるのかの予想をするのが非常に難しくなっている。

リーダビリティに優れると評されることの多い福田栄一らしく、事件の陰惨さとは裏腹にすらすらと読めてしまう。
しかし、やはりもう一歩足りない気がするのは、贅沢なわがままなのだろうか。

2009/09/21

異常犯罪者VS癖あるベテラン刑事+若手刑事コンビという
ベタかつ王道なストーリー。そしてキャラ！
何一つ新しさや斬新さもなく、大御所作家の往年の
ミステリーを読むような安心感(笑)。
どうやら作者の狙い通りに読まされました。

事件の裏に隠されたもう一つの真相。その犯人。
さらには癖あるベテラン刑事の哀しい過去...
様々な面に於いて必要なベタ要素がちりばめられており、
その安定さはかなりドッシリ重い。
この雰囲気をこのクオリティで読ませてくれるのは、
かなり難しそうですよねー。

思いの他、面白いVシネマを観たような気分になる作品。
ただ福田作品はやっぱり少しコミカルなものの方が個人的には好きですねー。