商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大洋図書 |
発売年月日 | 2009/08/05 |
JAN | 9784813012016 |
- 書籍
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夏の塩
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夏の塩
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商品レビュー
4.6
38件のお客様レビュー
日本の3〜40年のボーイズラブ小説の歴史の中で、一番の傑作は何か?と問われたら、私は迷いなくこの「夏の塩」「夏の子供」を挙げるな、と久々に再読して改めて思った。10代の頃に読んで深く胸を打たれたけれど、今読んでも全く読み味が変わらない。デビュー作だからかボーイズラブ小説の定型にハ...
日本の3〜40年のボーイズラブ小説の歴史の中で、一番の傑作は何か?と問われたら、私は迷いなくこの「夏の塩」「夏の子供」を挙げるな、と久々に再読して改めて思った。10代の頃に読んで深く胸を打たれたけれど、今読んでも全く読み味が変わらない。デビュー作だからかボーイズラブ小説の定型にハマりきっておらず、魚住と久留米だけではなく、サリーム・マリ・響子・濱田などなど…たくさんのキャラクターを扱い、そのサブラインに何度も立ち入りながら、かなり微妙なバランスでボーイズラブ小説として成り立っている。ほとんど奇跡と言っていい。 それにしても、魚住が久留米の汗で味覚を取り戻していることに気づくくだりや、さちのからのメッセージによって魚住が久留米に愛の告白をするくだりなどはちょっと涙なくして読めない。魚住というある部分がポカンと欠けてしまった人間、生きる感覚を失くしてしまった人間の喪失と再生。「塩」で味覚を取り戻したところから、つよい「子供」になっていくまで。単行本600ページ超にわたって、不器用に近づいたり離れたりする二人の関係性に身悶えながらも、たくさんのキャラクターが奇妙な輪を作りながら二人を支え、メインストーリーをきっちり読ませる、その構造には何度読んでも驚かされる。 「みんなひとりなのだ。自分の土管の中で、自分はどう生きていくのか、それを考えなければならないのだ。」 恋愛が全てではない、生きることをめぐる大きくて懐の広い物語であり、私が慈しんできたボーイズラブというカルチャーの一番美しくて素晴らしいところが結晶化された宝石のような物語。たくさんのボーイズラブ読者の宝物になっているであろう作品だし、何度も何度も再刊行されるのも当然だろうが、この作品が今後も生き続け、新たな世代のボーイズラブ読者に読み継がれていくことを心の底から祈っている。
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順番間違えたけど私にはそれがよかったみたい 結末知らなかったら塩の中盤あたりまでのギスギス感で投げ出していた可能性がある 日下部先生は魚住くんの持つ深い負のオーラに巻き込まれちゃった人なんだなあ・・ マリさんが言っていたまんまだった。 夏の子供の方でも名前がよく出たさちのちゃ...
順番間違えたけど私にはそれがよかったみたい 結末知らなかったら塩の中盤あたりまでのギスギス感で投げ出していた可能性がある 日下部先生は魚住くんの持つ深い負のオーラに巻き込まれちゃった人なんだなあ・・ マリさんが言っていたまんまだった。 夏の子供の方でも名前がよく出たさちのちゃん、 父親がキャリア持ちでそこから母子感染ってことなのか。 さちのちゃんの話では泣いた、葉書の破壊力。 ツライ
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(´・ω・`) ネタバレアリ〼 上下巻であることを知らずに、先に夏の子供を途中まで読んでしまいました。だからさちのちゃんが亡くなることも知っていたし、二人が晴れて結ばれる場面も読んでしまっていました。 だけどそれでも、とても心に響きました。魚住の置かれていた環境、マリやサリー...
(´・ω・`) ネタバレアリ〼 上下巻であることを知らずに、先に夏の子供を途中まで読んでしまいました。だからさちのちゃんが亡くなることも知っていたし、二人が晴れて結ばれる場面も読んでしまっていました。 だけどそれでも、とても心に響きました。魚住の置かれていた環境、マリやサリーム、濱田さんがどういった存在で、久留米がどれほど魚住のことを大切に思っているか。幸福をうまく感じられずに生きてきた魚住が、彼らと過ごす中でやっと人間らしくなっていく様子。 BLという、人によっては抵抗を感じてしまうジャンルで括られるのは、とてももったいないと思いました。ページを繰る手が止まらず、すごい早さで読み進めたので、BLと知って見守っていた同居人は多分引いていたと思う。でも、こんなに純粋な愛(恋愛、友愛、親愛)の話なのに。同性で愛し合うことの何がいけないんだろうと、少しかなしくなります。 そしてそんなBL要素ですが、魚住と久留米のそういうシーンはとにかく甘い。同性ゆえの、あと一歩踏み出せない歯痒さが切なく、読んでいてこっちが恥ずかしくなって、ひとり頭を抱えながら読んでいました。すごく好きでした。 これから、改めて夏の子供を最初から読もうと思います。
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