商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞社 |
発売年月日 | 2009/06/20 |
JAN | 9784620107356 |
- 書籍
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許されざる者(上)
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許されざる者(上)
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商品レビュー
3.2
6件のお客様レビュー
日露戦争を背景とした和歌山の森宮市の人々の話。日露戦争前後の日本を知る意味では面白かったが、誰が「許されざる」なのかはよく分からなかった。
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『許されざる者』 辻原登 クマは隈、世界の涯、あるいは陰の意か。吉野は美し野。この吉野からみて、ここはそういう位置にあたる。(p9) ★舞台説明。世界の果ての物語ということか。 「キリスト教って、木が一本もないさばくから生まれたんやないの? やすらぐもんが何もあらへん。そやから、もう上しかみるとことがない。上にあるのは空や。美しいのは砂漠の星空や。そしたらそこにたったひとりの神さまがおらはった。わたしは違うし。わたしのまわりには水や木、草や花や虫がいっぱいおってなし。………」(p85) ★多神教と一神教。この違いはこういうことだろう。 永野夫人が、はじめて夫への隠しごとを意識した瞬間だった。奇妙なのは、それが、彼女に、予期したような罪悪感を生じさせなかったことだ。むしろ、小さなよろこびのようなものがこみ上げるのを覚えたとき、これこそが彼女を驚かせた。(p235) ★非常に面白い。『ボヴァリー夫人』を思い出した。 文章というのはすばらしい。だが、兵隊にとられるということは文章の外の現実である。(p327) ★正に。そして我々は現実に住んでいる。 「最後にたずねる。思い姫はおられるか? おられるなら、その名を挙げられよ。その方の名に賭けて戦うのが騎兵の本懐!」 (p81) ★この場面は『ドン・キホーテ』のモチーフをつかっている………だろうか。 ……どんな善良な人でも、心の中で起きていることには悪がまざっている。(p121) ★「まざっている」というのがポイントだろう。それは本人さえも気づいていない。 「何もかも……」 と口ごもる。夫人はさらに顔を近づけた。 「……何もかも許す」 夫人は耳を疑って、夫の顔をみつめた。 さ迷っている視線が妻の目を探し当てる。二、三度、力なくうなずくと、 「子供がいたら、よかったな……」 (p194) ★文章の中で時間が動いている。そう読ませる。 「……コドモが……」(p218) ★昏倒しながらもまだ思い続けている。それは夫人への思いの強さだろう。もしくは変えられない過去への呪詛か。 ——人形の動作は、はじめはぎこちなくみえていても、太夫の語りと三味線の音色が作りだすリズムによって、生命が吹き込まれ、型にのっとって動いているにもかかわらず、ある種の存在感を獲得しはじめる。 私たちは、それに気づくとともに、いっそう人形の所作やふるまいが予見しやすくなり、まるで我々自身の手で、人形をあやつっているかのような気持ちになる。(p352) ★非常に面白い文章。 「千春ちゃん、さようなら。いつかまた……、どこかで、会えれば……」(p408) ★きっと、また会える。とはこの本の一つのテーマだろう。
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93ページ 殉死した永野忠博の兄 ◆殉死した→× ※[殉死」は「主君の死後、臣下があとを追って自殺すること」(明鏡国語辞典)。八甲田山での雪中行軍で凍死したのだが、これを殉死とは言わないだろう
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