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林達夫芸術論集 講談社文芸文庫
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林達夫芸術論集 講談社文芸文庫

林達夫【著】, 高橋英夫【編】

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林達夫芸術論集 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2009/06/10
JAN 9784062900522

林達夫芸術論集

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2010/01/07

一級品です。超面白かった。 林達夫がいろいろな時代に、いろいろな場所でのこした芸術論をあつめたもの。 22歳の一高時代に書いたものもあれば、評論家として名をなした壮年のものもあります。そのせいで、というかそのおかげで、この稀代の評論家にも「発達過程」というものがおありになったんだ...

一級品です。超面白かった。 林達夫がいろいろな時代に、いろいろな場所でのこした芸術論をあつめたもの。 22歳の一高時代に書いたものもあれば、評論家として名をなした壮年のものもあります。そのせいで、というかそのおかげで、この稀代の評論家にも「発達過程」というものがおありになったんだな、と感じられ、そこもまた良い。 たとえば一高時代に投稿した論文『歌舞伎劇に関するある考察』においては次のような記述がある。 <<われわれの血管を流れている血液のなかには耽美的傾向がある。悪魔的傾向がある。淫心がある。すべての犯罪への素質すらもある。機縁に触るれば、われわれはわれわれの生活の一つの態度として、美的生活を生きることも出来れば、頽廃的生活を生きることも出来る。(中略)そしてわれわれの道義的生活、第一義の意志的生活は(略)>> こんな前のめりの意志に溢れた若い論文もある。ここで林は歌舞伎劇がうまれた時代の土壌について、ほとんど同年代の僕が見たくなくなるような鋭い閃きをみせているが、60歳を超えたときに書いた別の論文ではまた違った顔を見せる。 <<わたくしは自分の不得手をあれこれと矯めているうちに何もできずに生涯のたそがれに来てしまったようなウカツな手合いの一人なのである。>>『一高時代の友だち』より このふたつの引用において、同じ語が違った表記でなされていることに気がつく。「できる」を前者では「出来る」と表記しているが、後者で漢字を使っていない。 この違いにはおおきな意味があると思う。 年齢の違いによる表記の違いという意味もあるし、文章の目指す性質からくる違いもあろう。でも前者だと思ったほうが楽しめると思いました。 論壇のエースの若さあふれる卵時代も見れちゃうお得な本。

Posted by ブクログ

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