フィールド情報学入門 自然観察、社会参加、イノベーションのための情報学

京都大学フィールド情報学研究会【編】

• 販売会社／発売会社: 共立出版
• 発売年月日: 2009/03/30
• JAN: 9784320122345

商品レビュー

2011/02/20

フィールド情報学という新しい研究領域を開拓するための導入書といった風体。先日、名古屋で生物多様系の国際会議も開かれたが、フィールドに散らばった情報をいかに集め、分析し、社会にフィードバックしていくかという大きな3つのサイクルステップがあると感じる。本書ではまず集めるフェーズのキーワードとして、「GIS」、「ヒューマンセンシング」、「バイオロギング」、「エスノグラフィ」などが、分析するフェーズのキーワードとして、「システムダイナミクス」、「ケースライティング」などが、フィードバックフェーズとしては「マルチエージェントシミュレーション」、「インクルーシンブデザイン」、「アウトリーチ活動」などが挙げられている。多くの情報を効率的に分析し、多くの知恵を使って、フィードバックする手法を考えるのは社会科学の方法としてはやや一般的。面白いのはセンシングやGISなどの情報科学手法を如何に取り入れて活かしていくかということだと思う。入門書としては平易で適切。