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「私」を生きるための言葉
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「私」を生きるための言葉
¥1,870
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商品レビュー
4.5
8件のお客様レビュー
最初の方は文法的な話も多く難しかったので読むのをやめようかと思いましたが、途中から面白くなり引き込まれました。 本書は日本語の特殊性に注目しており、一人称主語を立てた陳述を避ける点などを指摘しています。また日本人は相手を同質な存在として捉えることが多いため「他者」として認識する...
最初の方は文法的な話も多く難しかったので読むのをやめようかと思いましたが、途中から面白くなり引き込まれました。 本書は日本語の特殊性に注目しており、一人称主語を立てた陳述を避ける点などを指摘しています。また日本人は相手を同質な存在として捉えることが多いため「他者」として認識することもなく、よって対話も成立しない。西洋に比べ特殊で遅れているのだなと思いました。 私は孤独を背負った一人称として生きていきたいので、日本的世間に埋没しないよう言葉の使い方に気をつけていきたいです。
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『「私」を生きるための言葉』 〜日本語と個人主義 泉谷閑示 泉谷閑示さんの本『「普通がいい」という病』と重なる分があったが、新たに言語学分野が入ってきたことで新しい視点があった。 ◯"YOU"のような普遍的2人称代名詞を持った言語を用いて暮らす人々と我々日本人は、何か決定的に違う世界を生きているのではないだろうか。また、その違いは、個々の人間のあり方や、人間関係の性質、社会の性格等にも大きな影響及ぼしてはいないだろうか。 という命題で始まる。 大学時代私は仏文学部にいたが、言語学の先生に「言語学を専門にして卒論を書いてみないか」と誘っていただいたことがあった。その時は、言語学がどういったものかよくわからず、言語なんてその土地の人にしかよくわからないのだから、日本人が研究して何になるのだろう?と低レベルな考えしか持っていなかった。この本を読んでいると、自国の言語と他国の言語の成り立ちや特徴を理解する事はとても奥が深く、面白いということが初めてわかった。 日本語のBE言語と、英語のHAVE言語の特徴を示した文例一覧は興味深かった。 また、池上嘉彦氏『経験と思想』『英語の感覚・日本語の感覚』から抜粋して… ・欧米人の会話では、主に「話し手責任」が重視されるのに比べて、日本人の会話においては、「聞き手責任」が大きい。 ・日本は察する文化であり、「現実嵌入」が言語の一部になってしまっている といった、日本語の特性を論じている。 0人称的から1人称的になる過程に現在の人はいるのではないかと著者は考察する。 まず、個人主義とは、自分も1人称を得て主張するが、他の人たちの個性を認めて、お互いに共存することを完成としている。しかし、完全な個人主義的にはなれず、1人称的に自分を主張するが、相手を認めないので主張ばかりが目立ち衝突する。(利己主義になってしまっている) とは言え、一度個人主義に傾きかけた世の中は、0人称には戻ることができない。 なので、 1、正しく個人主義を目指す (利個人主義にならないように気をつける) 2、「他者」を「聴く」という経験を積み重ねていくことによって超越的0人称に開かれるよう進む。則天去私の境地(夏目漱石) 3.世間に絡め取られないために、自分の内に潜んでいる神経症性を一掃する。 ことが必要と結論づけている。 印象的だった(金子光晴)さんの言葉 自分自身を深く知って、都合の悪いところを要領よくごまかすのでなく、真正面から「絶望」すること。そのとき初めて自分自身が成熟し、日本の「世間」的な精神風土に流されない生き方ができる。 個人的には、一語で事物が纏っているものまで表現できるような、日本語の含みのあるところなどは好きだ。英語ではこうはいかない。フランス語も、文法的には論理的な印象を持たれるが、個々の単語は、日本語のような美しい緩やかさがあると感じている。 しかし、泉谷さんはこう論じている。 ◯曖昧さを曖昧さのままで、日本語の美徳として取り扱う事は、プライベートな領域の楽しみにおいては結構。しかしひとたび、他者とのコミュニケーションの道具として用いる場合に、言語はパブリックなものとして要請されている。パブリックなものは、通貨と同様、実に味気ないものであり、趣や土の匂いなどとは、縁のないものです。 ここまで言い切られてしまうと、少し寂しい気もするが、言われていることもわかる。 それぞれが、どのような「私」で話し、生きたいのか、変遷する時代に一旦立ち止まって、じっくりと考えようと、呼びかけられている。
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日本で生きていく上での生きづらさを「世間・日本語」というものから紐解く名著。 日本語が備える曖昧さや日本社会における未熟的0人称による“世間”というものの構造を解き明かした上で、1人称で生きていくこと、さらに、超越的0人称になる行程を深い考察で書いています 本書を書くにあたっ...
日本で生きていく上での生きづらさを「世間・日本語」というものから紐解く名著。 日本語が備える曖昧さや日本社会における未熟的0人称による“世間”というものの構造を解き明かした上で、1人称で生きていくこと、さらに、超越的0人称になる行程を深い考察で書いています 本書を書くにあたっての作者の苦労は本当に脱帽です 年功序列からジョブ型雇用へと移行する企業が最近よくニュースになっていますが、それも“世間”というものの崩壊が始まったものだと理解されます いかに自分がぬるま湯的世界観をもって生きていたかが克明に判明すると同時に、これからのグローバル化、インターネット社会に必読すべき書物だと思います
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