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ビカミング・ジェイン・オースティン
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | キネマ旬報社 |
発売年月日 | 2009/03/10 |
JAN | 9784873763101 |
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ビカミング・ジェイン・オースティン
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
『高慢と偏見』を読んで私は、「そもそも生活に困らないお金持ちの人たちの話なので、気持ちが切羽詰まったりしない」「おっとりと、恋愛や人の気持ちにかまけて」いる、「あんたたち、少しはマジメに仕事しなさいよ!!」などとまで感じていたものであるが、なんのなんの、この『ビカミング・ジェイン...
『高慢と偏見』を読んで私は、「そもそも生活に困らないお金持ちの人たちの話なので、気持ちが切羽詰まったりしない」「おっとりと、恋愛や人の気持ちにかまけて」いる、「あんたたち、少しはマジメに仕事しなさいよ!!」などとまで感じていたものであるが、なんのなんの、この『ビカミング・ジェイン・オースティン』でお金の話を避けて通ることは不可能である。 第一章のタイトルがいきなり「遺贈」であり、財産相続の話から始まる。それどころか、全体7〜8割はお金の話ではないだろうか。相続や分与、資産の維持など。。。 祖父や親や兄弟親戚から、どれだけお金を分けてもらえるか、分けてもらえない者たちはどうやって生活していくか…、この時代の中流以上の階級の人々にとって、文字通り死活問題であったことだろう。 それにしても、人が死んだり生まれたりするたびに、どう分けるか、どう残すかという心配ばかり。 それでも長子はとりあえずもらえるからいいけれど、それ以外の男性は勉強させて聖職に就かせるとか、子どものない親戚筋に養子にしてもらう、とか、まあ親も頭を使う。 女性の場合は勉強などの自力で生活していくということは選択肢になく、更に他力というか、要するに結婚相手の資力によって、現実的にどう暮らせるかが決まる。 女性自身が事業や仕事をする、という発想は、決して、ない。従って誰と(どの程度の資力の人と)結婚するか、は人生を決める最重要課題となる。 そういう時代に、ジェイン・オースティンは生きた。 誰も時代から逃れて生きることは出来ない。 恵まれて安泰とは言えない経済基盤のジェインは、小説を書くことを手探りながら「お金を得る仕事」ととらえた、最初のほうの女性の1人だったかもしれない。小説を売ることを戦略的に考えたりもしていたようだ。 小説を書くことがお金を得る仕事であることは、今では当たり前に認知され、そこには男性も女性もないけれど、女性であること、その階級に生まれたこと、仕事としてお金を得るということ…それらは、たぶんこの時代にあって今とは違う意味と社会的な制限があったはず。 未婚で安泰とも言えない自分がどうやって暮らしていくのか、と考え、そうだ自分には小説があるではないか!と思う、それを売るには…と考える。 また、産褥で亡くなることも珍しくなかったこの時代には、若いうちに結婚することは、次々に子どもを産んで亡くなったり身体を消耗したりすることでもあった。才能の片鱗の見えた友人や親戚の女性たちも、子どもやら家やらのあれこれで身体も才能も消耗しきっていくのを、苦い思いで眺める。 今日の私たちの中にもきっと、ジェイン・オースティン的なるものはあって、だから共感を得るのだろう。廃れないのだろう。 恋愛もまた然り。 生涯を結局未婚で過ごしたジェインにとって、どれほどの重みがあったかと思うと、叶うことのなかった恋に、なんだかとても切なくなってしまう。。。 すると、また新たな目で、ジェイン・オースティンの作品を読みたくなる。
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大勢の兄弟の中で育った娘・ジェインが、作家ジェイン・オースティンになるまで。 読書家で理知的な人の多い、筆の立つ一家だったのですね。 数世代分の家族の歴史をまとめた人がいて、それを読み込んでいることや、身近で起きた結婚事情、自分の恋愛体験など、すべてが盛り込まれているのですね。 ...
大勢の兄弟の中で育った娘・ジェインが、作家ジェイン・オースティンになるまで。 読書家で理知的な人の多い、筆の立つ一家だったのですね。 数世代分の家族の歴史をまとめた人がいて、それを読み込んでいることや、身近で起きた結婚事情、自分の恋愛体験など、すべてが盛り込まれているのですね。 子だくさんの中流階級は親類の遺産を当てにして生きるしかない面があり、ジェインの母の兄には子がなかったので後々までこれを期待するようになる。 ところが兄の妻はけちで有名、おかしくなっちゃうぐらいで「マンスフィールドパーク」の伯母のモデルですね。 兄ヘンリーの結婚のいきさつなど、ジェインが反対をほのめかすような内容の小説を初期に書いているなど、新事実も掘り下げられています。 後にヘンリーの妻になったイライザは年上の都会の女性で、最初はフランス貴族と結婚していたが死別(なんとフランス革命で!)美しく社交的だが、牧師を目指していたヘンリーには似合わないと。 19世紀に発表された作品だが、堅苦しいヴィクトリア時代になる前なので、むしろ18世紀的な価値観があるとか。 「高慢と偏見」には自信があったらしいことや、主役二人の性格はオースティン自身の恋人とは男女がむしろ逆転しているという指摘も面白い。
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ヘンリーとイザベラの話が面白かった。ちょっと嫌だけどね、こんな従姉。 オースティンが家庭教師は辛い職業だという認識を持っていたことや、服装に関することなど結構興味深い記述があった。 2009.3.10 初版/2009.11.7 購入/2009.11.16 読了
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