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ポトスライムの舟
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ポトスライムの舟

津村記久子【著】

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ポトスライムの舟

1,430

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2009/02/04
JAN 9784062152877

ポトスライムの舟

¥1,430

商品レビュー

3.4

239件のお客様レビュー

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2024/07/19

短編2篇のお仕事小説。 表題「ポトスライムの舟」は、働く女性が抱える問題を、多方面から描いたような作品。 ひとたび考え出すと、思考の沼に陥るところなどは主人公に大変共感できた。 いろんな生き方があるし、暮らし方がある。 日常生活の描写から、ひいてはなんのために働くのか、といった...

短編2篇のお仕事小説。 表題「ポトスライムの舟」は、働く女性が抱える問題を、多方面から描いたような作品。 ひとたび考え出すと、思考の沼に陥るところなどは主人公に大変共感できた。 いろんな生き方があるし、暮らし方がある。 日常生活の描写から、ひいてはなんのために働くのか、といった問題提起にもなっているようで、読了後にはなんだか感慨深く感じられた。 「十二月の窓」は、著者の実体験に基づくと思われるパワハラのお話。 ゆえに描写がとてもリアル。 あまりに理不尽だが、当時はこんな現場がごまんとあったのだろう。 逃げることの正しさのようなものが感じられた。

Posted by ブクログ

2024/06/04

身につまされた。 少し前に読んだこの作者の本がはまらなかったけど、これはおもしろかった。 前半のポストライムは、救いがないようで、救いがある。友情というか、相互扶助といった優しさが見えてよかった。 ひとって、食べるためだけに働けない。 だから、世界一周とか、人によっては推し活...

身につまされた。 少し前に読んだこの作者の本がはまらなかったけど、これはおもしろかった。 前半のポストライムは、救いがないようで、救いがある。友情というか、相互扶助といった優しさが見えてよかった。 ひとって、食べるためだけに働けない。 だから、世界一周とか、人によっては推し活とか資格習得とかにいくのかな。 十二月の窓辺はパワハラ話で、読んでるこちらまで胃が痛くなった。身内のことを考えて暗澹とした気持ちになった。  ポストライムの主人公のナガセもパワハラで新卒採用の正社員を辞めた、て書いてるから主人公の名前違ったけど、続編かと思って読んだ。 読んだ後、寒々とした季節にいるかと錯覚したくらいの没入感。(今は初夏なのに。) どちらの話も主人公にじゅうぶん感情移入できた。

Posted by ブクログ

2024/05/31

酔いが回って朦朧としたなかで、カラオケ店のトイレに貼ってある世界一周旅行のポスターに、何度夢を思い描いただろう。 本作の主人公であるナガセも、勤務先の工場の掲示板に貼ってある世界一周旅行ポスターに心を奪われたひとり。 参加費は163万。 工場での年間の手取りとほぼ同額。 工場で...

酔いが回って朦朧としたなかで、カラオケ店のトイレに貼ってある世界一周旅行のポスターに、何度夢を思い描いただろう。 本作の主人公であるナガセも、勤務先の工場の掲示板に貼ってある世界一周旅行ポスターに心を奪われたひとり。 参加費は163万。 工場での年間の手取りとほぼ同額。 工場での時間がそっくりそのまま世界一周に移行されるということが頭から離れず、ナガセは163万貯金することを決意するが…。 津村さんの芥川賞受賞作。今まで読んできた作品よりも若干温度が低く、主人公のナガセを筆頭に、友人のりつ子、同僚の岡田さんと、それぞれ人生について悩んでいるので重みを感じる。 旅先で移動のたびに開いては閉じ…をしていたので正直集中しきれなかった部分もあるが、自分の時間を対価に差し出された薄給で、娯楽やたまの贅沢に割く余裕もなく、ただ生活を続けていくことしかできない虚しさや、無力感が、現代の読者に痛いほどの共感をもたらすと感じた。 発刊された2008年でさえ不景気といわれていたけれど、物価上昇の速度が上がり、税金も上がり、実質賃金も下がり続けるなかで、政治家は素知らぬ顔で脱税をし、大した罪にも問われない2024年のどうしようもない無力さ、置いてけぼり感が哀しいかな、今この本を読むのにふさわしい時期な気がした。 2作目に収録されている"十二月の窓辺"もなかなか暗い。 著者もパワハラの被害にあった経験があるということなので、経験ベースなのか、主人公のツガワは、お局係長に辛く当たられ続けている。 P先輩、Q先輩、V係長、とイニシャルで登場人物が記されているので、誰が誰だか分からなくなってしまいがちではあった。 私自身、職場の人たちには恵まれていたものの、前職では人を見て態度を極端に変えるひとりの上司に酷い扱いを受けた経験があるので、"冷たい汗が足の指の間から湧き出し、腕に鳥肌を立てて目に涙を浮かべながら、ツガワは耳に飛び込んでくる一言一句の語尾にすみませんと添えた"という文章なんかは、当時を思い出し、胸がえぐられるようだった。 後半は若干抽象表現が見受けられ、理解が難しく目が滑るような感覚がある箇所もあった。わかりやすく長所が一つも見当たらない悪役が出てくる物語は苦手なので、こちらは読んでいて少しつらくなった。

Posted by ブクログ

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