商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2008/12/20 |
JAN | 9784309205113 |
- 書籍
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サレンダー
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サレンダー
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ぼくは死にかけている。 20歳という若さにして生涯を終えようとするガブリエル。その死の床で彼は残酷な少年時代を回想する。 自ら死に追いやってしまった兄・ヴァーノン。寂れた小さな町を恐怖に陥れた連続放火事件。初恋の少女・エヴァンジェリン。そしてサレンダー。最後の夏の日。 もうひと...
ぼくは死にかけている。 20歳という若さにして生涯を終えようとするガブリエル。その死の床で彼は残酷な少年時代を回想する。 自ら死に追いやってしまった兄・ヴァーノン。寂れた小さな町を恐怖に陥れた連続放火事件。初恋の少女・エヴァンジェリン。そしてサレンダー。最後の夏の日。 もうひとつ。幼かった彼の目の前に現れた、森のにおいがする不思議な少年・フィニガン。彼と交わした契約。自宅の庭からさえ自由に出ることを許されないガブリエルの代わりに、森を自由に駆け回り、誰にも咎められずに町を徘徊し、なんでも知っていて、罰や復讐、あらゆる“悪いこと”を大胆にやってのける、悪魔のような少年との愛憎。 そして現在、深い森の中で墓が暴かれ、秘密が明らかとなるとき、ふたたびフィニガンはガブリエルの前に現れる――。 フィニガンとは何者なのか。サレンダーとは何か。多くの謎をはらみ、過去と現在が絡みあう。生の暗く悲惨な部分を容赦なく巧みな文章で描き出す作品。 多くの人が享受する恋や夢、あこがれ。それらのものがすぐ近くにありながら、手を伸ばすことも許されない。孤独で、惨めで、怒りをぶつける先もない苦しみ多い人生を、ひとりで戦うガブリエルが見る夢の美しさとはかなさ。 『木曜日に生まれた子ども』『小鳥たちが見たもの』そして今作と、読んでいて非常に心打ちひしがれる物語。子どもの世界は残酷で、大人たちは完ぺきではなくて、ひとはいつも無理解と孤独に苛まれて。けれどいつかそこから解き放たれる瞬間が、誰にでも訪れることを教えてくれる。
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アイムダーイイング。冒頭が秀逸。1回読んだだけでは理解が難しいかもしれない。好きな言い回しがたくさんある。
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一体ハイエナのような少年フィニガンとは誰なのか?主人公のアンウェル(ガブリエル)と生まれつき脳に障害のある兄との間に何があったのか?サレンダーは誰の犬なのか…など謎が少しずつ解き明かされていきますが、単なるミステリーを読んだあとのようなすっきり感はなく、重いものがお腹に残る感じで...
一体ハイエナのような少年フィニガンとは誰なのか?主人公のアンウェル(ガブリエル)と生まれつき脳に障害のある兄との間に何があったのか?サレンダーは誰の犬なのか…など謎が少しずつ解き明かされていきますが、単なるミステリーを読んだあとのようなすっきり感はなく、重いものがお腹に残る感じです。ゲド戦記の「影とのたたかい」のようでもありますが、アンウェルの置かれた状況は逃げ場がありません。両親は体罰とネグレクトともとれる扱いを受け、救いを求めるあまり現れたのが、アンウェルにとっては悪魔でもあり天使でもあるフィニガンなのだろうと思います。そして自由な魂を持つ犬サレンダーとアンウェルに訪れる過酷な運命。 アンウェルのような苦しみを持っている子どもがいなくなる世界であってほしいと思いました。
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