商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/12/20 |
JAN | 9784104781027 |
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4.4
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京セラ美術館で行われていた「瑠璃の浄土」の個展がきっかけで杉本氏に興味をもった。日本人性を透明な眼差しで捉え、透明なまま芸術に昇華しているのがひどく不思議だった。というのも、杉本氏が表す「日本」があまりに心地良かったからである。その理由が、これらの文章からわかった気がする。 杉本...
京セラ美術館で行われていた「瑠璃の浄土」の個展がきっかけで杉本氏に興味をもった。日本人性を透明な眼差しで捉え、透明なまま芸術に昇華しているのがひどく不思議だった。というのも、杉本氏が表す「日本」があまりに心地良かったからである。その理由が、これらの文章からわかった気がする。 杉本氏は、芸術から社会学、政治学、考古学、歴史まで、あらゆる分野の知見をバランス良くもち、混沌とした世界をフラットに見つめられているからだと思う。どこまでも透明でどこまでも水平な杉本氏の眼差しに敬慕した。
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日経新聞私の履歴書で杉本博司氏に関心を持って本著作を読了。 現代アーティストとしてよりも、歴史研究者としてのモダンな視点が鋭い。勉強になりました。 響いたフレーズは以下: 世の為人の為は気が楽だ、それは自分が果てしなく広がる因果の鎖のただ一つの鎖の役割を果たしているにすぎない...
日経新聞私の履歴書で杉本博司氏に関心を持って本著作を読了。 現代アーティストとしてよりも、歴史研究者としてのモダンな視点が鋭い。勉強になりました。 響いたフレーズは以下: 世の為人の為は気が楽だ、それは自分が果てしなく広がる因果の鎖のただ一つの鎖の役割を果たしているにすぎないと思えるからだ、 そもそも戦後の喪失感のなかで教育を受けた私には、なぜ戦争が起きたのかを教えてくれる大人は一人もいなかった。父も母も小学校の先生も、誰もそのことには触れたくないという顔をしていた。そしてそのまま多くの子供は私も含めて大人になってしまった。 日本の戦争指導者達が愚昧な人達であったとは思えない。むしろ愚昧であったのは大衆としての日本国民たそれを煽動した大新聞だったと私には思える。 新聞にとって戦争は正気ではなく商機だった。
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現代芸術家、杉本博司の著作。 本書を読んで、まず驚かされたのが、その博識さ。 12編から構成されたそれぞれは、歴史・社会思想・科学と、縦横無尽に広がっていく。 杉本の芸術作品には、なにか哲学めいたものを感じてたが、その創作における秘密を伺い知ることができる内容となっている。 ...
現代芸術家、杉本博司の著作。 本書を読んで、まず驚かされたのが、その博識さ。 12編から構成されたそれぞれは、歴史・社会思想・科学と、縦横無尽に広がっていく。 杉本の芸術作品には、なにか哲学めいたものを感じてたが、その創作における秘密を伺い知ることができる内容となっている。 私が特に興味を持ったのが、歴史と杉本との距離感。 「フランス人民は、自分たちの共和国フランスを守る為に戦った。 つまり死んでも守るべき価値というのを見いだしたのだ。(中略) フランス革命によって導き出された十八世紀のデモクラシー理念、十九世紀のコミュニズムの理念と世界は百年ごとに美しいファンタジーを考え出し、その美を実現する為に多くの戦争が起こり人々がその為に死んでいった」 また、自ら耳を切断して一心不乱に経を唱えて生活した、明恵上人と、ヴィンセントヴァンゴッホの共通点を見いだし、両人とも自分を見つめつづけた求道者として解説している。 さらに、ゴッホ作「坊主としての自画像」と「明恵上人像」を比較することで、時間と空間を超えたふたりの狂気と宗教的体験を重ねあわせ、ひとつの物語として結んでいる。 つまり、芸術作品を単体として見るのではなく、横又は斜めから重ねあわせることで見えてくる作品の広がりについて、杉本は解説しているのだと思う。 最後に印象に残った杉本の作品制作に向かう内面が印象的だったので明記しておく。 「私にとっての西洋の咀嚼とは、自らの日本的霊性の発見であり、またその日本的霊性の西洋文脈での再提示が私のアートとなり得ていると思われる」
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