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現代帝国論 人類史の中のグローバリゼーション NHKブックス1124
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会 |
発売年月日 | 2008/11/28 |
JAN | 9784140911242 |
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現代帝国論
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現代帝国論
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現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション (NHKブックス) (和書)2011年03月31日 22:55 山下 範久 日本放送出版協会 2008年11月 柄谷行人さんの書評をみて読むことにしました。 難解ですが興味深い内容でした。 世界を批判(吟味)するという徹底した...
現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション (NHKブックス) (和書)2011年03月31日 22:55 山下 範久 日本放送出版協会 2008年11月 柄谷行人さんの書評をみて読むことにしました。 難解ですが興味深い内容でした。 世界を批判(吟味)するという徹底した姿勢が貫かれている。著者も言っているが飛躍が多く簡単に纏めることができる内容ではない。 ただこういう思考実験は無害である上に有益なものだと思った。こういった姿勢を持つ人の本を読めて僕の頭にとって非常に良い刺激になりました。
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国民は、支配されることを欲するか。ある意味では、欲すると云えよう。例えば我々は、国家から、生活安全の保障、ルール化された物品の流通、人民同士の対等な交流を可能にする、社会的待遇、管理される事に付随する見返りを、常に期待した通り、大凡のところ満たされてきた経緯がある。管理が完全に行...
国民は、支配されることを欲するか。ある意味では、欲すると云えよう。例えば我々は、国家から、生活安全の保障、ルール化された物品の流通、人民同士の対等な交流を可能にする、社会的待遇、管理される事に付随する見返りを、常に期待した通り、大凡のところ満たされてきた経緯がある。管理が完全に行き届いた帝国の内部で、人民はある程度の秩序を与えられ、心地よい自由まで感じて、生きることが可能だった。目指すべき明確な目的を共有し、個人的な欲求も満たしうる世界の構築に、歴代の帝国が果たしてきた役割をみる事が、可能だ。しかし、その支配構造は、現代の多面的な価値観の林立によって、翳り始める。帝国が、既成の約束事を国民に保証できなくなり、存亡の危機まで囁かれる事態となる。帝国が依拠してきた普遍性は、底が抜け始めて、絶えない不安が、根こそぎ我々に植え付けられる。この帝国と云う神話を、我々は、いつからか自然に疑うようになった。不安から抜け出せなくなった己の現実を、はっきり自覚する機会に恵まれるようになった。支配の崩壊は至る所に現れ、結論の出ない議論をあちこちで見聞し、国家に任せていた仕事を、自分たちで代行して、補う必要があると感じ始めた。そんな時代において、本書が示した事とは、自分の精神を帝国化させる、と云う発想の転換、各自が自立した普遍性を持ち、容易に状況の好転や発展に結び付くとは限らないと知りつつも、他の人々と連携を取ろうとする姿勢、ではないだろうか。本書には、現代を生きる我々の心に共鳴する、同じ者としての声がある。出口を模索する人々に、可能性を開示しようと格闘する姿勢、アクチュアルな問題に立ち向かう思考過程に、大きな励ましを見出せる。読み終わった時、今後の人生に有効である手掛かりを、幾つか手にして、ある種の希望に安らいだ己を発見する事だろう。
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世界システム論で有名な山下氏の著書。 読むには読んだが筆者の独特のいい回しや、正直、自分の頭がついていっていない面があるので、本書を読むためには基礎的な知識を整理する必要があると思う。。内容を、1部を1~3章、2部を4~6章、3部を7~8章としているので章ごとに、自分的に理解で...
世界システム論で有名な山下氏の著書。 読むには読んだが筆者の独特のいい回しや、正直、自分の頭がついていっていない面があるので、本書を読むためには基礎的な知識を整理する必要があると思う。。内容を、1部を1~3章、2部を4~6章、3部を7~8章としているので章ごとに、自分的に理解できたことをまとめてみる。 1章では、ハートとネグリーの<帝国論>から、帝国を歴史的に超越と内在性の抗争と捉えて、神のような<超越>から、抗争を経て<帝国のような>内在性の時代へと変化するとしている。この帝国と民族の関係、統治機構がだつ官僚化することや、この過程で差異が活性化するとしている。 2章では、カール=ポランニーの著書「大転換」の考えから、ヨーロッパの平和の100年は、勢力均衡、国際的金本位制度、自由主義的国家、自己調整的市場になりたっており、転換の過程が限界に来ると「大転換」が起こるとされている。そして、現在は第二の大転換の前夜であると考えられているので「ポランニー的不安」の中にいるとしている。 3章では、ウォーラーステインの世界システム論に対して、フランクの「リオリエント」から、西欧中心からユーラシアもいれた世界構造を考え、「近世帝国」の定義を考えている。 第2部では、ポランニー的不安に立ち向かう方法として3つあるとしている。4章では、ネオコンに近いネオ・ホッブス主義として、F・フクヤマ、ファーガソン、イグナティエフを取り上げている。5章では、リスク社会をポランニー的不安としてとらえて、食品表示偽装などのように「信じていないけれど、信じる」という、アイロニー的な部分をシニカルな普遍主義としている。6章では、トッドとウォーラーステインからメタ普遍主義という概念をだしている。 7章では、国際社会を、多元主義、連帯主義の観点から3つにわけ、国内類推の考えを導入して平和について考え、8章では自然と社会の中での戦争などについても言及している。 入門書ではなく、読み手を選ぶ本だとは思うので、読む前に基礎的な事項を整理した方であればきっと良い本になるだろうと思った。あと、結論が月並みなことに終わっているので、自明のことを過去の大作から論理的に説明をしている論文に近い本かなと思った。
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