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騎士の盃 ハヤカワ・ミステリ文庫
880円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 1982/12/15 |
| JAN | 9784150704100 |
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騎士の盃
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騎士の盃
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商品レビュー
3
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
HM卿最後の長編。カー自身も最後の長編だと意識していたのか、本作には過去の作品に出て来た人物達が見え隠れする。 依頼人のヴァージニアの友人には『青ひげの花嫁』に出て来た弁護士が出てくるし、HM卿の執事は『青銅ランプの呪い』で出て来た当事者であるヘレン・ローリングに仕えていたベンスンだったりする。そして最後でありながら、実に微妙な謎を扱っており、非常に興味深かった。 なんせ密室状態の中で盃の位置がなぜかずれており、なぜ犯人はこの盃を盗まなかったのかというのがテーマだからだ。 そしてその真相は正に本格ど真ん中。手品のようなミスリードを披露してくれる。 犯人の狙いは宝石で飾られた盃にあるのではなく、歴史上の人物が一文を刻んだ窓にあったなんて、正にミスリードのお手本ともいうべき真相には感心したが、本作のもう1つの魅力である密室の謎は正直がっかり。 鉛の窓枠だなんてはっきりいってこの21世紀の時代には全く解らない。物語にちらほら出てくる鉛管工をこのような形で使うのにはカーらしくて非常に好きなのだが、今のこの世の中で本作のトリックを見破られる人がいるのだろうか? 今、窓枠といえば鉄、ステンレス、アルミ、木ぐらいしかないのだけど。 そしてもはや恒例となっているHM卿の奇矯な振る舞いは本作においても踏襲されており、なんと今回は教会の夕べの集いにて歌声を披露するためにイタリア人の教師に師事しての歌の稽古中なのだ。 そして『仮面荘の怪事件』や『赤い鎧戸のかげで』などでも見られたように、この奇抜な演出が事件の解決に一役買っているのだから畏れ入る。最後の最後まで生粋のエンターテイナーぶりを見せてくれる。 そして本作においてカーは登場人物の口を借りてミステリ論を開陳する。 曰く、 (探偵小説は)手のこんだ、洗練された問題を提起して、読者にも謎ときの機会を公平に与えてくれるものでないと(いけない)。 さらに曰く、 問題は謎(中略)。謎が単純だったり、簡単だったり、謎でもなんでもないときは読む気がし(ない)。 まさしくこれこそカーが未来の本格ミステリ書きに託したメッセージではないか! それは現在、まだ連綿と受け継がれている。カーの精神は確かに受け継がれたのだ。
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