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ジャン・クリストフ(4) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1979/10/01 |
JAN | 9784102128046 |
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ジャン・クリストフ(4)
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ジャン・クリストフ(4)
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ノーベル賞作家ロマン・ロラン代表作の完結編。理想の人間像として生み出した主人公の生涯を結末まで描き切る。 「燃える茨」では、唯一にして真の友・オリヴィエを失った衝撃から立ち直る間もなく、人妻との不倫という新たな苦悩を抱え込むクリストフ。心中未遂をしでかし、極限の苦しみに沈み込む中で、彼はついに神を見い出す。ここでの神との対話から起こる覚醒体験、そこから得た人生と世界に対する俯瞰視点のようなものは、スピリチュアリティに富んでいると同時に難解でもある。しかし冒頭のバイーフの詩や、最後の「燃える茨」から飛び立つ雲雀(ひばり)から暗示されるように、何度もどん底に陥っては這い上がって羽ばたいていくジャン・クリストフの物語は、まさに不死鳥のように力強い。これこそが人生……!と、勇気をもらえた気がする。そして、おそらくここが本作のピーク。 「新しい日」は原書の第十巻にあたる最後の章。中年期に入ったクリストフは、グラチアやエマニュエル、オリヴィエの息子ジョルジュとの再会から、新たな愛の形を見い出していく。結婚という形に至らなかったものの、穏やかな真実の愛に包まれたクリストフとグラチアの姿は、引用にもあるようにダンテとベアトリーチェを彷彿とさせる。 一方、戦争への危機感が感じられる終盤の文章は切実である。本巻は第一次大戦勃発2年前の1912年に出版されており、2022年現在の世界情勢に通じる空気感が感じられて恐ろしい。少し引用しよう。 「戦争の欲望がすべての人々の魂にとりついていた。いつなんどきでも、戦争は勃発しかねなかった。……一つの偶然で戦端が開かれることを、人々は感じていた。人々は待ち受けていた。最も平和主義的な人々にも、やむをえないという感情が重くのしかかっていた」 「近い将来の戦争においては、国際主義者や平和主義者も、国民議会の先人たちと同じように、これこそ民衆の幸福と、平和の勝利のためだと信じこんで、おそらく砲火の火ぶたを切ることであろう!……」 本作には、クリストフにドイツを、オリヴィエにフランスを、グラチアにイタリアをそれぞれ代表させて、ヨーロッパの調和融合を願うような理想が見られる。残念ながら文豪の願いは通じず、人類はその後二度も大戦を経験することになるが……。 ラストでは一つの魂の完成を描いているといえるが、個人の精神の物語だけでなく、上記のような文明社会への広範な視点を含む大作であるため、今こそ広く読まれるべきである小説だと思う。しかし世界文学の人気ランキングでもほとんど見かけないのが残念だ。本訳は50年以上前の出版であり、新訳への期待も込め、改めて注目されることを望む。
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