商品詳細
内容紹介 | トラックが横転により一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちとの楽しい思い出を胸にトンコはさまよい続ける・・・。そして待ち受けていた真実とは!?日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作の他、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団地」、究極の兄妹愛を描いた「黙契」の3作の短編集。注目の新鋭が描く、人間の心の底の闇と哀しみのホラー。 |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2008/10/25 |
JAN | 9784043924011 |
- 書籍
- 文庫
トンコ
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トンコ
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商品レビュー
3.6
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2022年9月読了。 ・ 表題作『トンコ』を含む3作品の短編集。 『トンコ』 高速道路で事故を起こした運搬トラックから逃げ出した一頭の豚『トンコ』 他の豚達の血臭が漂う中、姿の見えない兄弟達の声や匂いを目指し、山を登り探し始める。 『ぞんび団地』 パパとママに愛されず、ひどい...
2022年9月読了。 ・ 表題作『トンコ』を含む3作品の短編集。 『トンコ』 高速道路で事故を起こした運搬トラックから逃げ出した一頭の豚『トンコ』 他の豚達の血臭が漂う中、姿の見えない兄弟達の声や匂いを目指し、山を登り探し始める。 『ぞんび団地』 パパとママに愛されず、ひどい仕打ちばかり受けている女の子・あっちゃん。 昔は優しいパパとママだったのに、今では廃人のようにギャンブルと薬に溺れ、ケンカばかりの毎日。 辛くて悲しい事があるとあっちゃんはある場所に向かう。 数年前にマンホールから有毒ガスが噴き出して以来、住民全てがゾンビと化した住宅地『くちなし台』 ゾンビの家族はケンカしないし、みんな仲良く歩きながら『あー』とか『うー』の言葉だけで通じ合えるあっちゃんの理想の家族像であった。 家族全員でゾンビになって、くちなし台に引っ越して、仲良く暮らすのがあっちゃんの夢。 その為に住民達に噛まれてゾンビになろうとするけれど…。 『黙契』 警察官の良樹の元に、東京の警察署から一本の電話がかかってきた。 「妹さんが亡くなられました。アパートで首を吊られまして、十日程度経っておられました」 高校を卒業し、デザイナーを目指し地方から東京の専門学校へ夢を追いかけて行った妹・絢子。 東京へ越してから一年以上、メールだけのやり取りではあったが気の合う仲間が出来た事、仲間達と夢を語り合いながら過ごす日々を楽しそうに報告していた妹。 そんな妹が自殺をするなど考えられなかった。 しかも誰にも発見されず十日間もぶら下がっていたなんて…。 最後に話した突然の深夜の電話。 絢子が発した『自殺サイン』と思わせる言葉。 『兄ちゃん、私ね、おうぎラーメンが食べたい』 その時理解出来なかったこの言葉に、一体どんな意味があったのだろうか。 ・ ・ 一応ホラー括りの短編集。 3作品とも怖いがメインではなく、悲しい話ばかりだった。 『トンコ』は自分としてはイマイチ。 『ぞんび団地』『黙契』はネグレクトや親を早くに亡くした兄妹の愛が描かれていてとても切ない気持ちにさせられた。 だが『ぞんび団地』の設定や展開は面白く、『黙契』のラストは江戸川乱歩の『蟲』を彷彿とさせる感じでとても良かった。 総じてそれなりに楽しめた作品だった。
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3話の短編。 それぞれの作品の主人公が豚だったり、死人だったり、物語を語る『視点』が特殊で面白かった。 高速道路での事故をきっかけに逃げ出した食用豚が、大冒険の末に結局ニンゲン様に食べられるという表題作の『トンコ』が一番よかったかな。あ、オチまでいってしまった笑 ところでこの...
3話の短編。 それぞれの作品の主人公が豚だったり、死人だったり、物語を語る『視点』が特殊で面白かった。 高速道路での事故をきっかけに逃げ出した食用豚が、大冒険の末に結局ニンゲン様に食べられるという表題作の『トンコ』が一番よかったかな。あ、オチまでいってしまった笑 ところでこの作者は結局なにが書きたかったんだろう。 私たちが食べてる豚だって生きてるんだ!だから、もっと生き物に感謝しようぜ! ではない気がする。 ただ単純に豚目線からすれば養豚場から食肉加工工場に運ばれるってホラーだよね?っていう着想からこの小説をかいたのかなーなんて思いながら読んだ。いい作品。
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ホラー要素は感じなかったが、ただ切ない。 トンコそのもののセリフは無いけれど、無邪気なトンコがかわいいくて最後は泣ける。
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