商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 藤原書店 |
発売年月日 | 2006/03/30 |
JAN | 9784894345041 |
- 書籍
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雪
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雪
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ー Kaはしばらくの間イペッキのそばに座って、彼女の手を握っていた。彼女に彼の部屋に来るように言った。彼女にそれ以上近づけないことが苦痛になり始めたので、一人で自分の部屋に上がった。そこには覚えのある木のにおいがあった。外套をドアの後ろの鉤に丁寧に掛けた。 ベッドの端にある小さい...
ー Kaはしばらくの間イペッキのそばに座って、彼女の手を握っていた。彼女に彼の部屋に来るように言った。彼女にそれ以上近づけないことが苦痛になり始めたので、一人で自分の部屋に上がった。そこには覚えのある木のにおいがあった。外套をドアの後ろの鉤に丁寧に掛けた。 ベッドの端にある小さいスタンドを点けた。疲労が地下から来る唸り声のように身体と目蓋のみならず部屋もホテルをも包んだ。そのために思い浮かんだ新しい詩をすばやくノートに書き取っている時、今その端に座っているベッドや、ホテルの建物や、雪の降ったカルスの町が全世界につながっているのを感じた。 その詩に『革命の晩』という題をつけた。子供の頃の軍のクーデタの夜、家族は皆起きていて、パジャマ姿でラジオから来る行進曲を聴く所から始まっていた。しかしまたその後で、皆そろって食べた祝祭日の食事の場面に戻った。そのために、後になってその詩が彼が体験した革命ではなくて、記憶から思い出されたものと考えて、六角の雪の図の、「記憶」の軸の上にそのようにおかれたのだ。その主題の一つは、世界で惨事が続いている時、詩人が頭の一部をそれらに対して閉ざすことができるということについてであった。それができる詩人は、現在を想像の世界に生きることができるのであった。詩人が成し遂げることが困難なのはこのことであった!Kaは詩を書き終えてから、煙草に火をつけて、窓から外を眺めた。 ー 宗教と政治の事件に巻き込まれた恋愛小説。 Kaは恋愛のことで頭がいっぱいなのに、それに集中しようとすればするほど、宗教と政治の暴力の深みに嵌ってしまうなんとも面白い作品。 でも、これをどう捉えたらいいのかよく分からない。背景知識が薄いので、そのまま言葉通りに捉えていいのか分からない部分がある。 中村文則の『逃亡者』からの高橋和巳の『邪宗門』からのオルハン・パムクの『雪』と宗教、政治、戦争、テロ繋がりで文学鑑賞。 せっかくパムクを読んだので次は『わたしの名は紅』を読むか。
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トルコでは雪は神が降らせるという イスラム原理主義と政教分離主義の 衝突を描いた政治小説 雪の結晶が主人公の行動を支配し 作者が物語を辿る構図が面白い 雪が降らなければ、争いもなかったのな… 「人は幸せな時には、幸せであることがわからない」その言葉が無念だ
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トルコの街での出来事。現代トルコの世俗主義とイスラムと軍国主義が混沌とした世相を背景としているため、「私の名前は赤」ほどのカタルシスはなく、重々しい展開。しかしやはり筆力は高く、一流の作品。新訳があるそうだが、そちらはもう少し読みやすいのだろうか。
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