検証 格差拡大社会

上村敏之, 田中宏樹【編】

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2008/09/25
• JAN: 9784532353216

商品レビュー

2010/03/07

格差とは何かと考えられさされた。格差の課題として、政治課題としての格差、所得格差、社会保障制度と世代間・世代内格差、出生率の地域間格差、地方財政格差、地域間経済格差、金融システムの格差、教育格差、安全・安心の格差についてまとめられていた。結局、「セーフティネットがどうあるべきか」ということと、「がんばった人が報われる」といくことを十分切り分けて議論することが必要と思う。

2009/10/16

「格差」とは何を指し、近年の経済・政治で何が行われてきたのかを多角的に俯瞰できる一冊でした。

内容は１０人の研究者による、１０章からなる「格差」の検証論集です。

研究者による論集ですが、門外漢の私にも、それなりに分かりやすく書かれていました。（丁寧に読めば理解できますが、読後のずっしり感はあります。）
各章は各々の専門領域について書かれていますので、読み手に多角的な視点を与えてくれます。また、評論家的なコラムではなく、データによる裏付けを示しながらの文章ですので、ある程度の客観性は担保されていると思います。

多くの論文が小泉改革前後に「格差」が生じたかを検証しているので、最近言われている「格差」ってなんなの？ということを客観的に捉え、考えることができました。
ただし、執筆者一人当たりのスペースに限りがあるので、概略的なものになっている感はありますが。

民主党に政権が移った今、政策の動きを捉える上でも有効な視座を与えてくれると思います。そういった意味では、今読んでおくべき一冊かも知れません。