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往還の記 日本の古典に思う 同時代ライブラリー320
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往還の記 日本の古典に思う 同時代ライブラリー320

竹西寛子(著者)

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往還の記 日本の古典に思う 同時代ライブラリー320

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1997/09/16
JAN 9784002603209

往還の記

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2023/04/27

竹西寛子 「往還の記」古典文学の現代的意味を考察したエッセイ。著者は 本居宣長やドナルドキーン「日本の文学」から、古典文学に組み込まれた文学的伝統や日本人の美意識を論じ、それらを 現代文学に取り入れることを求めている 本居宣長とドナルドキーンの日本文学論と源氏物語論の対比は面...

竹西寛子 「往還の記」古典文学の現代的意味を考察したエッセイ。著者は 本居宣長やドナルドキーン「日本の文学」から、古典文学に組み込まれた文学的伝統や日本人の美意識を論じ、それらを 現代文学に取り入れることを求めている 本居宣長とドナルドキーンの日本文学論と源氏物語論の対比は面白い *本居宣長は 記紀に日本人の精神の根源があるとし、源氏物語の眼目は「あはれ」の表現にある〜世の中の「もののあはれ」を言い尽くしているとしている *ドナルドキーンは 連歌と俳句に日本人の美意識を見出し、源氏物語は絵巻物形式の小説であり、時間の経過に対して人間が無力であることを強調した作品としている この本のテーマとは外れている気がするが、吉田満「戦艦大和の最期」の書評は 印象に残った。いま考えれば 異常としか言えない気運の中で、異常を異常と感じず、その気運に巻き込まれた者たちの動静が素直に書き留められているとしており、この気運の中で 戦争憎悪は無力であることを受け入れている。「戦艦大和の最期」を読んでみたい 古典を読むことは 文学的伝統を確かめること 日本文学の伝統とは *事を重んじ、理を斥ける〜経験的事実の尊重 *人間の自然の情感の肯定 *日本の文学の歴史は、文学にあらわれた美意識の変遷史 本居宣長 *日本の古典への接近を通じて、日本人の精神の根源に遡ろうとした *学問の本意は、わが国の道を学ぶことにある〜道とは記紀の神代と上代にすべて含まれている *源氏物語の眼目は「あはれ」の表現にある〜世の中の「もののあはれ」はこの物語に言い尽くされた ドナルドキーン「日本の文学」 *日本の文化は先進大国の模倣により成る〜江戸時代は支那、明治大正は西洋 *日本語の特殊性は 暗示的効果〜連歌と俳句に顕著 *日本の詩人は創作にあたって神を必要とせず、一番影響を与えた宗教は禅宗 *源氏物語は絵巻物形式の小説であり、時間の経過に対して人間が無力であることを強調した作品 作品の高い完成度が約束されるのは、意識と無意識の ほどよい均衡にあり〜新しい作品とは 古典を素直にながめることを通じ、無意識にかかわる伝統を 静かに眺めようとする態度の上に、はじめて充実する

Posted by ブクログ

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