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街の観覧車 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1985/10/25 |
JAN | 9784167278069 |
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街の観覧車
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街の観覧車
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観覧車のまわりで起こ…
観覧車のまわりで起こる事件を描いた連作短編集。連作ならではの仕掛けもあって楽しめた。
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阿刀田高先生の1985年作品を1986年に文庫化したもの。 街を見下ろす観覧車の近くに住む10人の男女を主人公にした、10篇の連作短編集。 観覧車のモデルは、東京のあらかわ遊園ですかね。 10篇の主人公のそれぞれが、ご近所さんということもあり、10の短編は、それぞれの登場人物が微...
阿刀田高先生の1985年作品を1986年に文庫化したもの。 街を見下ろす観覧車の近くに住む10人の男女を主人公にした、10篇の連作短編集。 観覧車のモデルは、東京のあらかわ遊園ですかね。 10篇の主人公のそれぞれが、ご近所さんということもあり、10の短編は、それぞれの登場人物が微妙にリンクした作品集になっています。 阿刀田高作品に特有の、ブラック・ユーモア感は影を潜め、男女かんけのもつれから生まれる犯罪を描いた、割と正統派のサスペンス、ミステリー小説集になっています。 怪談めいた作品もいくつかありましたが、収録作の中でも「雲どり模様」は、妖しく美しい世界を描いた名品だといえるでしょう。 以下は簡単に各作品の感想を⬇️ うすあかり 「ほんの六カ月ほど、テレビのワイド・ショウのキャスターを勤めた」、本業は大学講師、翻訳家の男が、キャスター時代を回想する一篇。 前半はアシスタントの女性との不倫の回想、後半は突然ミステリーに。 阿刀田高作品特有のブラック・ユーモアはありません。 恋の残り 社会人1年目の内気な若者が住むことになったのは、アパートではなく、家屋が老朽化し庭の手入れも行き届いていない家での下宿住まい。 大家は、60才近い女性。若者が暮らすうちに、その女性の過去を知るようになって、という話。 ブラック・ユーモアもなく、これだけ恐ろしい、純粋にスリラーなのも珍しいのではないでしょうか。 短い物語の中で、秘密を知っていく高揚感と、秘密を知った時の恐怖感が味わえる、名篇だと思います。 拗ねた血 引き寄せの法則の逆をいくように、願えば願うほど望まない結果をもたらしてしまう男の物語。 阿刀田高作品だから、悲喜劇のように書かれるのかと思っていると、悲劇寄りの物語なので、読んで余計に切なくさせられます。 また、自分の立場に置き換えてみると、非常に恐ろしい物語でもあります。 心に残る名短編だと思います。 赤い音 これも、ブラック・ユーモア感が無い一篇。 二度結婚し、二人の子どもを持つ女性が、最初の結婚から今までを回想する物語。クライマックスに近づくにつれ、それまで全く無かったスリラー感が全開になります。自分が好きな「〇〇が怖い」型の物語でした。 梔子の便り サラリーマンの男が、突然届いた梔子の香りのする葉書が届いたことをきっかけに、昔別れた女を思い出す物語。 これもブラック・ユーモア感は無く、感傷的で、怪談のような怪談ではないような不思議な味わいがある一篇です。 静かな狂気を感じさせるラストも、なかなか良いです。 水ぬるむ 夫に若くして先立たれ、義父母の面倒を見続けた中年女性の心理を描いた一篇。犯罪心理サスペンスではあるのでしょうが、 感傷的で切ない仕上がりになっています。 雲どり模様 着物姿の女のイメージと、緋鯉のイメージを重ね合わせた、エロティックでファンタジックな一篇。 ブラック・ユーモアなんて全く無い、妖しく美しい世界に、阿刀田高先生の底力を見た気がします。 小麦色の王妃 女優の卵を主役にした一篇。 演劇の世界を描いた前半から、後半の犯罪心理と皮肉な結末、と、阿刀田高作品らしい感じで終わります。 全く悪い作品ではないのに、一つ前の「雲どり模様」が良すぎたために、何となく期待はずれな感じになってしまいました。 存在証明 何だか大層なタイトルですが、現場不在証明をちょっと捻ったもの。 主人公はサラリーマン。殺人の疑いがある、ある男の死が、以前に部下で現在はホステスの女に関わりがあるのでは、というミステリー。 女の裏に、男がいたのではないか、というのが、存在証明、ということですが、結果、はっきりと証明はされません。 そのはっきりしないところが、却って印象的な結末だったかと思います。 雨を待つ女 これも、犯罪心理サスペンス。 最初の収録作「うすあかり」の主人公・星川が、最後に登場して、重要なカギを握ります。 最初の話と、最後の話がリンクする、という意味では重要な一篇ですが、本書のラストを飾るには、ちょっと平凡、というか、あっさりめの出来です。
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