世界の歴史(9) 大モンゴルの時代 中公文庫

杉山正明, 北川誠一【著】

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2008/08/25
• JAN: 9784122050440

商品レビュー

2024/06/01

図書館で借りた。
中公文庫世界の歴史シリーズ9冊目はついにと言ってもいい、あの世界が恐れた中世モンゴル帝国の時代だ。日本やヨーロッパを含め、多くの国から見れば、「いきなりモンゴル人が襲ってきて、大モンゴル帝国を築いた」…というのは通説だ。しかしそれは一つの側面でしかない。実際には帝国を"運営"したわけであって、それは多民族国家であり、パクス・モンゴリカによって通商・経済が栄えた時代でもある。それは自分の中で新たな視点となり、本書を通じて得るものがあった。

理解が不足している側面もあるが、このシリーズをざっと読み通したく、ざっと流した。

2021/11/23

第1部の記述は杉山先生のモンゴル熱が高く、賛否はあるかと思う。しかし、基本的にはモンゴルについて知るのに必須の入門編とも思える。この記述をみると世界歴史大系の中国史の杉山先生の記述は抑え目だったなあと思う。第2部もモンゴルを扱うが1部の通史的視点とは異なり、モンゴルの王権のあり方、イスラームとの関係を扱う。こちらも示唆に富む内容。モンゴルが世界史の大きな画期となっていることは確かで、その歴史を知るのにまずは読んでおいて良かった一冊。

2015/05/11

広大なユーラシア大陸を縦横無尽に疾駆した蒼き狼の群れは、たぐいまれな統治システムと柔軟な経済政策で世界市場最大の連邦国家を築いた。好戦的と思われがちな草原の民＝モンゴルの知られざる実像を生き生きと描き出す。