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男の子のための軍隊学習のススメ ちくまプリマー新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2008/08/07 |
JAN | 9784480687890 |
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男の子のための軍隊学習のススメ
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商品レビュー
3.3
8件のお客様レビュー
組織体制が滅茶苦茶な日本の軍隊、要は階級とは別に在軍年数の序列(年功序列)があり、これが巾をきかせていた。反戦本ではないとしながらも、これだけで充分に戦争は嫌な状況。 美化されがちな海軍にも陸軍同様シゴキと称するリンチがあった。また、中曽根元首相は主計科士官だったが、これは大卒...
組織体制が滅茶苦茶な日本の軍隊、要は階級とは別に在軍年数の序列(年功序列)があり、これが巾をきかせていた。反戦本ではないとしながらも、これだけで充分に戦争は嫌な状況。 美化されがちな海軍にも陸軍同様シゴキと称するリンチがあった。また、中曽根元首相は主計科士官だったが、これは大卒が比較的お手軽に士官になれる「短現」と呼ばれる制度の為、その仔細も。 書籍内で大西巨人の「神聖喜劇」を大プッシュされ、漫画で読むきっかけとなる。 <その他の書籍紹介> https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/
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910 読者層は(中)高生男子をターゲットに、軍隊小説を100倍楽しんで読む方法を解説してくれてます。 私は中年のおばさんだけど、軍隊小説を読むことはほとんどなかったにせよ、面白かったです。陸軍・海軍の気質の違いや、エリート東大生たちだって屈辱的な身体検査を受けたとか、隊の中で...
910 読者層は(中)高生男子をターゲットに、軍隊小説を100倍楽しんで読む方法を解説してくれてます。 私は中年のおばさんだけど、軍隊小説を読むことはほとんどなかったにせよ、面白かったです。陸軍・海軍の気質の違いや、エリート東大生たちだって屈辱的な身体検査を受けたとか、隊の中での序列ややこしいとか、隊にいながらにしてのらりくらりとし、生きて帰ると心に決めた者だっていたことや、女情男子、わだつみ像の彫刻について等。 戦時のドラマを見る時にも、クスリと笑える裏ネタとかになってくれそう。 軍事小説は読まないけど、 司馬遼太郎の『坂の上の雲』や、妹尾河童の『少年H』、歴史とは関係ないけど有川浩の『図書館戦争』やら思い出しながら読みました。
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タイトルから内容が分かりにくいが、冒頭を読めば「この本の正体」として、その内容が書かれている。要するに、「日本の軍隊や兵士をテーマにした小説や体験記」を「百倍楽しむ法」(p.9)について解説したもの。具体的には、帝国軍隊に入隊するまでにどのような過程があるのか(徴兵なのか志願な...
タイトルから内容が分かりにくいが、冒頭を読めば「この本の正体」として、その内容が書かれている。要するに、「日本の軍隊や兵士をテーマにした小説や体験記」を「百倍楽しむ法」(p.9)について解説したもの。具体的には、帝国軍隊に入隊するまでにどのような過程があるのか(徴兵なのか志願なのか、入隊検査と甲乙丙)、入ってからのルート(二等兵なのか、下士官なのか、将校なのか)といったことについて、多くの作品を引用しながら、解説したもの。巻末には詳しい軍隊小説のリストも、詳しい参考文献とともに載せてある。 あくまで文学作品を読むための解説であって、著者自身の思想的なことが書かれている訳ではなく、基本的には中立の立場で書かれている。そもそも軍隊小説を読んだこともなければ、旧軍についての本も読んだことがなく、新鮮だった。さらに想定される読者は思春期の高校生、ということで、著者の語り口が軽妙で面白く読めた。 「陸軍内の序列そのものが二本立て」(p.48)、つまり「階級系統」と「敬老系統」というのは、陸軍だけでなく、似たような二本立ての序列は他の多くの職場でありそうだ。「若いころは、特に『みんなのなかでいちばん若い』ときには、誰かに叱られても、軽んじられても、甘えても、それなりに恰好がつくのですが、年をとると、そうはいかない。ある程度は敬意を払ってもらわないと、居心地が悪くなってしまうというのは、けっこう辛いものです」(p.62)という老初年兵の話の所で、妙に納得してしまった。おれももう30になって、確かに仕事失敗してすみませーん、という年齢ではないなあ、と思う。「無事、有能な若者を元の職場に戻すこと」(p.119)を目指した海軍の「短現」制度というのがあるのは興味深いと思った。結構面白い本だったので、同著者の他の本も読んでみたいと思った。(14/10/05) 2021年4月中頃に再読。というか本当に読んだ記憶がなく、booklogで感想を書こうと思ったら「既に本棚に登録済み」で、ちゃんと感想も書いていてびっくりした。結構個性的な本なのに全く読んだ記憶がないなんて…。 2回目に読んだ感想で、納得したところは、「職業軍人とは教育者である」(p.32)という、教育社会学者の佐藤さんの言葉。「戦争でも起こらなければ軍人は訓練、検閲、演習、講評といった『教育活動』で生涯を終えることが通常であった」(同)という部分は、確かにそうだよなあと思った。あとは「日本とヨーロッパの軍人の違い」という部分。「ヨーロッパでは職業軍人の将校は貴族的伝統をもち、社会の上層部の出身者だったことです。」(p.42)という部分。日本の独自性を感じたが、これはアジア全体ということではどうなんだろう、と思った。あとは『魂の試される時』という小説があるそうだが、この題名の意味するところは筆者によればこれは「自分の卑しさとか狡さとかがモロに出てしまったというような、イヤな体験の思い出のこと」(p.51)らしい。魂、とまではいかないけど、あるんだろうな、こういう時、と思う。最後に明治から昭和にかけての「天皇制神話」について。哲学者の久野氏によれば「民衆にとっての天皇制神話は、教義が誰にでもわかるという意味で『顕教』(もしくは『たてまえ』で)であり、統治エリートにとっては『密教』(もしくは国家運営のための『申し合わせ』)であった、と説明しています。」(p.85)の部分、分かりやすかった。そして「『顕教』信奉者の帝国陸軍は、もともと『国民大衆』には近しい存在だったと言えるでしょう。神たる天皇の前では、すべての臣民が平等であるという『たてまえ』のもとで、社会的地位や学歴がチャラにされる陸軍の原則は、『国民大衆』の支持を得ました。」(同)ということだ。最近、録画してずっとHDに残っていた「100分で名著」というNHKの番組の松本清張特集で、『神々の乱心』という松本清張の遺作の紹介を見て、すごい興味をそそられたが、それにも通じるものなのかな、と思った。(21/04)
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