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贈与論
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贈与論

マルセルモース【著】, 有地亨【訳】

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贈与論

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房
発売年月日 2008/06/20
JAN 9784326602124

商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

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2023/04/02

ポトラッチとは、 ・提供・受容・返礼の義務を有する互酬的な贈与である。 ・氏族・胞族間の贈与が多い(?)。また、贈与の競争は浪費、時に贈物の破棄に及ぶ。 ・気前良く振る舞うことが名誉・支配につながるとともに、返礼をあてにした投資、子孫への間接的な相続にもなる。 ・贈物と贈与者(元...

ポトラッチとは、 ・提供・受容・返礼の義務を有する互酬的な贈与である。 ・氏族・胞族間の贈与が多い(?)。また、贈与の競争は浪費、時に贈物の破棄に及ぶ。 ・気前良く振る舞うことが名誉・支配につながるとともに、返礼をあてにした投資、子孫への間接的な相続にもなる。 ・贈物と贈与者(元の所有者)とのアニミズム的な紐帯はなくならず、それが贈与者と受贈者との紐帯になる。 なぜか「着」が全て「著」で印字されていました。

Posted by ブクログ

2023/03/19

 わたしの読解力がないためと,新しい言葉(原語と翻訳語)が次々と出てくるので,すんなりと読めるわけではないが,それでも,どうにか最後までたどり着いた。なかなか面白い本だった。  本書(原論文)については,あのレヴィ・ストロースが次のように述べているそうだ。 (それ)は彼と同輩の...

 わたしの読解力がないためと,新しい言葉(原語と翻訳語)が次々と出てくるので,すんなりと読めるわけではないが,それでも,どうにか最後までたどり着いた。なかなか面白い本だった。  本書(原論文)については,あのレヴィ・ストロースが次のように述べているそうだ。 (それ)は彼と同輩の人々のみならず若い世代の社会学者に顕著な影響を与えた。したがって,それらはフランスの社会人類学的思索の真の珠玉である。(本書解説より,308ぺ)  わたしが本書を手にとろうと思ったのも,先に最近の島嶼に住む狩猟民族たちの生活などを調査した文献を読んだからである。そこにはいろんな人がこのモースの『贈与論』に触れていた。「これは,よほど基本文献に違いない」と思って読んでみたというわけだ。  モースの『贈与論』の訳書は数冊出ていて,本書は,1962年に出版されたものである。新版と銘打ってあるものの,活字がかすれているものもあったり,旧字体っぽい活字があったりして,決して読みやすい装丁ではなかった。ほかにも訳書が出ているようなので,そちらも図書館で探してみるかな。  内容は,本文と同じくらいにモースによる注釈があって,おそらくこれをしっかり読まないとモースの主張の裏付けが分からないのだとは思う。がしかし,注釈を順番に読むというのもなかなか大変。わたしは,本文のみで彼の主張を確認しただけである。  結論めいた部分を引用してみる。  ところで、贈与は必然的に信用の観念を生じさせる。発展は経済上の規則を物々交換から現実売買へ、現実売買から信用取引へ移行せしめたのではない。贈られ、一定の期限の後に返される贈与組織の上に、一方では、以前には別々になっていた二時期を相互に接近させ、単純化さすことによって、物々交換が築かれ、他方では、売買―現実売買と信用取引ーと貸借が築かれた。なぜならば、われわれがいま描写している段階を越えたいかなる法(とくに、バビロニア法)も、われわれの周囲に残存するすべての古代社会が知っている信用を知らなかったということを証明するなにものも存しないからである。これこそ、 ダヴィがずでに研究したところの契約によって結び合わされる『二時期』(moments du temps) の問題を解決する単純にして実際的な方法である。(本書113ぺ)  このように、われわれは往時に、しかも、基本的なものに復帰しうるし、また、そうする義務がある。もう一度、多数の社会や階級によってなお記憶されている生活と活動の動機、すなわち、公然と物を与える喜び、鷹揚にして雅趣のある消費の楽しみ、客礼、公私の儀礼の楽しみを発見するであろう。 社会保障ならびに相互扶助組織、共同組合、職業団体、更には、イギリス法で『共済団体』 (Friendly Societies) と称される一切の法人格への配慮は、貴族がその領民に保証した単純な人格権の安全 、あるいは、雇傭主が支給する日々の賃銀から生ずる苦しい生活、更にまた、変りやすい信用に立脚するにすぎない資本家の蓄財のいずれよりもまさっている。(本書233ぺ)  これを読んでいて,人新世の脱成長コミュニズムを訴えている斎藤幸平さんの主張を思い出してしまった。彼の原点の一部はここにもあるのかも知れない。  『人新世の「資本論」』をもっかい読むか。 

Posted by ブクログ

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