商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 未知谷 |
発売年月日 | 2008/06/10 |
JAN | 9784896422313 |
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自然連祷
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5
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作品を読み進めるにも楽しむにもこうしてレビューを書くにも、 とても、とてもエネルギーが必要な1冊。 これは、凄い。 純然たる文学でありながら、透明で鋭い思索や、 はたまたアートに分類されるであろう蠱惑的な表現力や、 そうかと思えば読み手のノスタルジーやハートを揺さぶる、 「物語」...
作品を読み進めるにも楽しむにもこうしてレビューを書くにも、 とても、とてもエネルギーが必要な1冊。 これは、凄い。 純然たる文学でありながら、透明で鋭い思索や、 はたまたアートに分類されるであろう蠱惑的な表現力や、 そうかと思えば読み手のノスタルジーやハートを揺さぶる、 「物語」としての魅力も持っている。 最初の一行目からぐん、と引き込まれて、 でもきちんとついていくには集中力や精神力が必要で、 でもでもその対価としての感性の充足感ははかり知れない。 この加藤幸子という作家は、 可愛らしい形のガラスでできた爆弾を持っているのだと思う。 小説という形を取って、あらゆるものを抽象的に鋭くえぐる。 その「えぐり」が、時に残酷で、時に心地良くて、 冷たい手で心をぎゅっと鷲掴みにされたみたいになってしまう。 久しぶりに、オーラの凄まじい小説を読んだ。 これが文学の力か、と唸った。 作品は温かさも冷たさも深さも甘さも怖さも内包しているが、 基本的に、すべての作品に「明確なハッピーエンド」は、無い。 無い、のに、雪のような明るさがあるのはなぜだろう。 和室で飲む日本茶のような安堵感があるのはなぜだろう。 「文学」というものが持つすごく根源的な力、 その原始的で野蛮ででも最高に艶っぽい魅力を、 絹糸に絡め取られ締められるようにして味わうことのできる傑作。
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