外為どっとコムではじめるFX投資

今井雅人(著者)

• 販売会社／発売会社: インプレスコミュニケーションズ
• 発売年月日: 2008/04/11
• JAN: 9784844325192

商品レビュー

2010/11/25

ＦＸ投資を始めて行う人向けの本。「外為どっとコム」で初めて口座開設を行う前提で、口座開設方法、提供ツール、実際の売買方法、利益の計算方法まで、画面入りで詳しく書かれている。このとおり設定していけば、とりあえずＦＸを始めることはできる。さらに、５章、６章では税金や確定申告の方法、投資スタンスの保ち方まで触れており、まさにいたれりつくせりだ。
ＦＸのしくみは複雑で、その複雑さゆえにはじめられない人も多いと思うが、そのしくみも簡潔に説明されている。
ＦＸ第一の特徴は、レバレッジが効くことだ。たとえばレバレッジ１０倍にすれば、１０万円で１００万円分を取引することができる。それだけ利益も出しやすいが損失も大きくなる。
第２の特徴は、通貨間の金利差額調整であるスワップポイントが付くことだ。金利の高い通貨を買って金利の低い通貨を売れば、高金利の通貨の利息から低金利の通貨の利息を差し引いた額が毎日受け取れる。日本は金利が低い国なので、たとえばＮＺドルなど金利の高い国の通貨を保持すればスワップポイントが受け取れこれが利益となる。
第３の特徴は、買いからでも、売りからでも始められること。たとえばこれから円高になると思い、先に１００円のときにドルを売って、９８円になってからドルを買い戻すということもできる。
第４の特徴は通貨ペアを選んで取引することだ。日本円だけでなく、ユーロ・米ドルのように日本円以外のペアでも取引できる。
第５の特徴はコストが安いことだ。ＦＸにかかるコストは、通常の外貨預金やＭＭＦよりも安いので、レバレッジを１倍にして外貨預金代わりに使うこともひとつの方法だ。しかし、ＦＸ口座を開設したら、実際にＦＸ取引をしてみたくなるのが人間の心理だと思う。さておき、コストは取引のたびにかかる「取引手数料」と「スプレッド」（通貨の買値と売値の差額）があり、目安として１万米ドルの売買でそれぞれ片道７００円程度である。
ＦＸはゲーム要素が強く、ゲームのルールがわかればおもしろいと思う。とりあえずルールを学びたい場合には、外為どっとコムで「バーチャルＦＸ」というデモトレードサイトで練習することを著者は勧めている。
また損失が限定される「マージンコール」の設定や、「ロスカット」の％設定も変更方法なでも記載されているので、細かいところではあるが押さえておきたい。
何千万も稼ぐ人がいる一方で巨額の損失を出す人も多いＦＸ投資ではあるが、著者はＦＸについても「投資は長い期間をかけて安定的に行うものだ」と説いている。常勝トレーダーからの一言は胸にささる。ＦＸも投資のひとつであり、長い間学びながら次第に身に着けていくものであることを私たちに教えていると感じた。