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神はなぜいるのか? 叢書コムニス06
4,180円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | NTT出版 |
| 発売年月日 | 2008/03/22 |
| JAN | 9784757101746 |
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神はなぜいるのか?
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商品レビュー
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宗教理解への新たなアプローチ:認知科学からの視点 本書は、宗教や超自然的な概念を、伝統的な宗教学とは異なり、人間の心、特にその認知的な構造と推論システムから理解しようとする試みです。心理学、人類学、進化生物学などの知見を統合し、宗教がどのように生まれ、広がり、人々の心に根付くのか...
宗教理解への新たなアプローチ:認知科学からの視点 本書は、宗教や超自然的な概念を、伝統的な宗教学とは異なり、人間の心、特にその認知的な構造と推論システムから理解しようとする試みです。心理学、人類学、進化生物学などの知見を統合し、宗教がどのように生まれ、広がり、人々の心に根付くのかを、普遍的な心の働きという基盤から捉え直すことを目的としています。 心の構造と専門化された推論システム 人間の心は汎用的な単一のシステムではなく、直観的物理学、構造-機能システム、目標検知システム、有生性システム、直観的心理学といった、特定の情報を処理し推論を行うことに特化した複数の説明機関(エンジン)から構成されています。これらのシステムは進化の過程で形成され、私たちが世界を認識し、カテゴリー化する基盤となっています。 超自然的概念の性質:直観的期待への違反 超自然的な概念は、私たちが持つ基本的な「直観的期待」に違反するという特徴を持ち、特に存在カテゴリー(人工物、動物、人間など)に関する直観に違反することがよくあります。これらの違反は、変則であるよりも記憶に残りやすく、注意を引き、概念をより目立たせます。超自然的な概念は、限られた数のテンプレートにまとめられ、特定の情報が埋められる形で構成されると考えられます。 宗教と道徳、社会性の進化 宗教は単なる超自然的な概念の集まりではなく、人間の決定的に重要な推論システム、特に社会的な相互作用や道徳に関わるシステムを活性化させます。人間の心に備わった本質主義的仮定という傾向が社会集団の結束を容易にし、協力や信頼といった社会的な相互作用に不可欠です。超自然的な行為者は道徳的判断と結びつきやすく、道徳的直観は感情や社会的な結果に基づいて形成されます。 死と儀礼の認知的基盤 死は人間の認知システムにとって特別な挑戦となり、死体に対する嫌悪感と、死んだ人がまだそこにいるかのように推論する人物ファイルシステムの矛盾が生じます。儀礼は、このような認知的な矛盾や困難に対する反応として理解でき、特定の行為を通じて参加者の心的表象に影響を与えます。儀礼はしばしば強迫観念的な行動と関連しており、共同体意識を高めるなど、社会的な効果を持つと信じられています。 文化とシンクレティズム:宗教的要素の混合 文化は個々の人間の心の中の考えの類似性として捉えられ、宗教研究におけるシンクレティズムとは、異質な宗教的要素の混合を指します。スラメタンというインドネシアの宗教的実践の例は、異なる情報源からの要素が組み合わさって宗教が形成されることを示しています。 宗教の科学との両立と文化の進化 本書は、宗教が人間の心という特定の「目的」のために作られており、科学と両立できると主張します。人々は、死や誕生、結婚といった状況に適切な説明を与えるために、認知的な理由から宗教的思考をしてきたのであり、形而上学的な体系としての「宗教」は、人間的な目的や関心事から離れたものとして捉えられます。文化の創造性と多様性の爆発は、人間の心が制約から解放され、より柔軟になったことによると示唆されています。
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宗教やそれらにまつわるものについて、文化人類学をはじめとした複数の学問からアプローチしたもの 人類の認知プロセスの一つとして、宗教を捉えて解説している。 宗教について漠然と自分で考えていたことがいくらか言語化されていて興味深かかった。 また、通常の宗教について書かれたものと発想...
宗教やそれらにまつわるものについて、文化人類学をはじめとした複数の学問からアプローチしたもの 人類の認知プロセスの一つとして、宗教を捉えて解説している。 宗教について漠然と自分で考えていたことがいくらか言語化されていて興味深かかった。 また、通常の宗教について書かれたものと発想が違っていて、刺激的であった。 やはりフランス人の本の日本語訳という感じの読みにくさがあることは否めない。
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本書は、宗教とは科学的にどう説明出来るか、を考察したもの。 結論、宗教(神)は現世人類が10万年間の「心」の生成・発達の進化で獲得してしまった負の副産物だ。ということ。 また本書は、科学界では宗教について研究することがタブー化していたが、それを克服した革命的な書と言われている(2...
本書は、宗教とは科学的にどう説明出来るか、を考察したもの。 結論、宗教(神)は現世人類が10万年間の「心」の生成・発達の進化で獲得してしまった負の副産物だ。ということ。 また本書は、科学界では宗教について研究することがタブー化していたが、それを克服した革命的な書と言われている(2001年出版 本題「宗教の原因説明」)。 ただ、素晴らしい考察だが、学術的正確性に凝り固まった「極めて慎重過ぎる」文章、まわりくどい言回し、重複意見の多さが非常に読みづらい。例えば「神」と書けば良いのに「見えざる超自然的行為者」と書いたり、「三位一体」を「この三人は確かに三人だが、本当は一人」と書いたり。また、何の説明も無く突然マイナー宗教や学者の名前が度々出てくる。まるで学術論文のようになってしまっている。 それに個別宗教の具体例が極端に少ない。出てくるのはアフリカのマイナー宗教(ファン人の信仰)が多い(本書で30箇所ぐらい言及されている)。本来であれば多くの人々に身近な、キリスト教、イスラム教、仏教の教義や歴史、信者へのインタビュー、現代カルト教団の事件などを具体例に出せば、かなり分かりやすい分析になったと思う。著者だってその知識はあるだろう。これが出来なかったのは、やはり「宗教」というテーマ。とりわけその信仰へ至る人間心理の不可思議を取り扱うがために、意図的にタブーとなったのかもしれない(文章の回りくどさもそれに由来するかも)。 第9章「なぜ信じるのか?」では、大人が子供に対して解りやすく、直接的でシンプルな言葉を選んで対話をする言語コミュニケーションシステムの話が出てくる。これはまさに学者が一般書籍を執筆する場合、どのような文章(対話)で書けば良いか、という本書の問題点に皮肉にも対応する。 つまり本書は、大変意義ある考察だが「解りやすく説明する」を怠っている。 超訳版を出版したほうが良い。 ファン人が著者に「霊がなぜ見えないのか」語った説明「霊は平べったい。そして私たちに対して横向きに構える。だから薄くて見えない」426 西洋人の仏教に対する期待は、個人的な神秘体験や形而上学的なものばかりである。仏教が根付く東洋ではそのようなものよりも儀礼や倫理哲学として仏教を取り入れている。400 世界各国のほとんどの幽霊が「見えるのに声が聞こえない」「聞こえるのに見えない」のどちらかに当てはまる。実はこれが恐怖の原因ではないか。人類は歴史のほとんどで捕食者に怯えて生きてきた。そこでは捕食者が「見えるのに聞こえない」「聞こえるのに見えない」のが不気味で恐ろしい。幽霊の恐怖とは、この名残りではないか。191
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