商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2005/04/18 |
JAN | 9784003362921 |
- 書籍
- 文庫
小論理学(下)
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小論理学(下)
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現実的なものは理性的で理性的なものは現実的。だって同じひとつのものだから。 考えて、わかる。なんて現実的で理念的。 件の小論理学。 在るから始まって、本質、現存在、現象、現実、概念、そして、理念へと帰る。ぐるっと回ってまた振出しに戻る。 確かに彼のことばは敷居が高い。先を読ん...
現実的なものは理性的で理性的なものは現実的。だって同じひとつのものだから。 考えて、わかる。なんて現実的で理念的。 件の小論理学。 在るから始まって、本質、現存在、現象、現実、概念、そして、理念へと帰る。ぐるっと回ってまた振出しに戻る。 確かに彼のことばは敷居が高い。先を読んでは戻ってようやくみえる。それでも、彼の考えのリズムに乗っかれば、するっと自然に入ってくる。 在るということは、それ自体であると同時に、その有限性はないものではないという否定によって裏付けられる。在るは無いに、無いは在るによって関係づけられる。それは無限の対立のようだが、どちらも、在るということばが、無いということばが、「ある」。このきれいな三段跳び。 観念的で自己中心的という批判を耳にしたことがあるが、そんなもの、彼はとうに見越してきっちり言っている。すべては自己の動きだと。他者なんていないのだ、と言っているのではない。他者が存在できるのも、ひとへにこの自己の存在ゆえだと言っているのだ。観念的というのは、何かが「在る」ということなしには、わかることができないと言っているのだ。 マグリットは彼の考えを二項対立なものに敏感で…としてそういった絵を描いている。ヘーゲルの休日とか、弁証法うんぬんとか。彼は別に二項対立が好きなのではない。表と裏もどちらもひとつのもの。裏が表で表が裏。なんだひとつのものの一側面を切り出しただけじゃないか。真に現実とは、理念とは、裏も表もどちらも含むものではないと、それは現実ではない。そういうのは悟性の働きにすぎない。二項対立の部分だけ取り上げるのは弁証法とは言わない。 あとがきによると、彼の考えは誤っているという。それは、現実には「ある」一般が存在しないからだという。また、思惟の主体が世界の創造者だというところもいけないらしい。それが神的だとか。 まず、現実に「ある」一般がないということ。すでに現実というものが「ある」ではないか。なんだその現実一般っていうのは。 次に思惟の主体が世界の創造者だとしたところ。「在る」ということなしに考えられるようになってから出直しなさい。「ない」ことには考えられないから。在るということから世界が生まれるのだ。なぜそれに驚けない。 正しく彼を批判するなら、彼が「在る」というところを認めているというその点だ。なぜ、在ってしまったのだろうか。どうして考えているのは他でもないこの「自己」なのか。ハイデガーの切り口だ。 存在という当たり前のことを考えているのに、難解だというのは何を言っているのだろうか。 彼の功績はなんといっても、哲学を論理という形として現存在させたところにある。だが、論理は哲学そのものではない。それでも、哲学は論理というひとつの形を求めたのだ。これがいつも不思議でならない。思惟は居ながらにして宇宙へと誘ってくれる。 存在が意志する、そのことが善。正しさと真理は違う。正しさは単なる一致の状態。何と一致しているかは言及しない。一方、真理とは、概念という自己との一致である。自己とはこのちっぽけな奴のことではない。存在が求めるということは、それ自体が概念と一致している。善は存在に裏付けされている限り、実現されつつあると同時に実現されている。理想というものが、それを求める現実によって実現されているように。
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目次 第二部 本質論 A 現存在の根拠としての本質 a 純粋な反省規定 b 現存在 c 物 B 現象 a 現象の世界 b 内容と形式 c 相関 C 現実性 a 実体性の相関 b 因果性の相関 c 交互作用 第三...
目次 第二部 本質論 A 現存在の根拠としての本質 a 純粋な反省規定 b 現存在 c 物 B 現象 a 現象の世界 b 内容と形式 c 相関 C 現実性 a 実体性の相関 b 因果性の相関 c 交互作用 第三部 概念論 A 主観的概念 a 概念そのもの b 判断 c 推理 B 客観 a 機械的関係 b 化学的関係 c 目的的関係 C 理念 a 生命 b 認識 c 絶対的理念
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