サラリーマンよ悪意を抱け 新潮文庫

赤川次郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 1984/01/25
• JAN: 9784101327013

商品レビュー

2012/01/04

サラリーマンをテーマにした短編集。

仕事を完璧にこなすことにのみ自分の存在意義があると考えるサラリーマンがミスを同僚に知られたことから殺人を決意する話。

権利のある上司に睨まれ出世できないサラリーマン四人で立てる殺人計画など。

普通の生活を送るサラリーマン達が事件に巻き込まれるきっかけってこんな些細なことなのかも…とちょっと思ってしまう話ばかりでした。

2007/02/17

ミステリー短編集。全6話。

好きだったこれ。特に『栄光からの脱出』。万年平社員の主人公。あるとき急に秘書課の課長に抜擢された！！主人公は、給料は低いが家族との団欒を大切にできる現状に満足だが、旦那の出世を嘱望する妻にうんと鼓舞され、ようやくその昇進話に承諾する。しかし、この昇進の裏には会社の大きな企みが隠されていた・・・！！

どの話にも共通してるのが、サラリーマンの哀愁っていうのかな？毎日満員電車に揺られ、会社でこき使われ、微々たる昇進に一喜一憂する男達。その日常でおこるちょっとした事件。

でもサラリーマンって最悪だーーー！！ってオチじゃなくて、どこか、平凡に見える日常に非日常的な何ががあるんだよな〜って話。

勧善懲悪ものとまでは言わないけど、結局凡人でも真面目に正直に生きていれば最後は勝つ！！っていうお話ばかり。それって綺麗事かもしれないけど、小説の中でくらい正直者が勝たないとね。読後溜飲が下がります♪