センセイといっしょ リーフノベルズ

くればやしミユキ(著者)

• 販売会社／発売会社: リーフ出版/星雲社
• 発売年月日: 1999/05/01
• JAN: 9784795294868

商品レビュー

2010/06/28

確認先：町田市立中央図書館

ネタばらしをしてしまえば、水上ルイの小説『ミステリー作家と危険な彼』で登場する紅林和雪が水上に「触発（この場合、啓蒙か？）」されて突発的に書き下ろした作品という設定になっていることを前置きで承知しておく必要があるだろう（とはいえ、『ミステリー作家と危険な彼』とその姉妹編に当たる『少年は猫になる』、およびネタばらしをしている『水上ルイ短編集』を必ず読む必要はないと思う）。

とはいえ、水上としてはある意味では埋もれた意欲作とでもいえる。というのはある意味ではオーソドックなフォーマットを踏むという行為（水上は攻めキャラの一人語りと受けキャラの一人語りを併記することでオーソドックなフォーマットを踏んでいない）から何を学んだのか、そして何を読み落としたのかを見極める必要があるだろうから。
繰り返し再生産されてきたボーイズラブのフォーマットをボーイズラブの登場キャラクターが「ノベライズ」にする。この皮肉をなんと言えばいいのだろうか。