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語り手の事情 文春文庫
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語り手の事情 文春文庫

酒見賢一(著者)

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語り手の事情 文春文庫

576

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2001/07/10
JAN 9784167656102

語り手の事情

¥576

商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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2010/05/28

ヴィクトリア王朝を舞…

ヴィクトリア王朝を舞台にした、見事な小説。「語り手」の存在感がすばらしく読書の醍醐味を感じさせてくれる。しかし、けっこうな過激な内容が「文学界」に連載されていたことに驚く。高級ないかがわしい小説。

文庫OFF

2014/02/17

いま「失恋ショコラティエ」見てるのだけど、妄想力については断然小説がリードするなぁって。 酒見賢一は苦手な系統に思えていたけど、変な説得力があってまた次の作品を読みたくなる。

Posted by ブクログ

2014/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

酒見さんの人生哲学と温かみが感じられ、たとえ本筋を忘れてしまっても何かは残る作品だ。 『後宮小説』はとくにそうだったが、この作品もエロがオープンで爽やか。 そう思っていたら、佐藤亜紀さんが解説で「エロチックな記述においては特に女性読者からの熱烈な支持を得ている酒見賢一氏」と書かれている。なるほど。 ※以下、ネタバレ。 とはいえ、性はあくまでもテーマの1つであって、この作品の面白味はほかにもたくさんある。小説でいうところの神的視点、すなわち語り手の視点という物語装置について語るという入れ子形式になっている(といってさしつかえあるまい)。そこに「主人公」という能動性を宿すとどうなるのか。ずいぶんと実験的な試みで心がはずむ。 もともと酒見さんは語るのが巧い。落語のような日本的語りは、重石になる文語と伸びやかな口語が溶け合い、緩急があるので声に出して読みたくなる。くわえて、Circumstance.n の冒頭描写から語り手のえぐるような口舌に移る下りなんかは、「やりすぎ」なのに「やりすぎ感」がなく、攻めの姿勢に転じる要所をとらえている。 こんな文体で英日翻訳ができたらという妄想に駆られてしまう。妄想が想像となって、創造できればよいのだけど。酒見さんのように、古典を作品に活かしている方は、翻訳の理想をどのように語られるのだろう。 さて、肝心の恋愛について。後書きで酒見さんは「恋愛小説」だと言い切られている。それは否定しない。たしかに恋愛小説だと思う。性が持ち出されるのは恋愛を描いているからであり、恋愛を描く以上は性を持ち出さないわけにはいかない。とはいえ、今回は恋愛事情のほうは、ちょっとおろそかになっている。語り手の事情はわかるにしても、相方の心境がいまいちわからない。語り手に同化しても、惚れられた感がない。もっといえば、アーサーの妄想に惹かれない。「惚れられたから惚れてしまった」という単純な状況に、ときめきがない。 もうひとつ。本作は完璧にうんちく小説なので、それなりに雑学がないと楽しめないうえ、英語がわからないともやもや感が残るかもしれない。これは短所でもあり長所でもある。 最後になるが、『語り手の事情』は後書きまで面白い。「恥じらいが美徳であり、性欲をそそる、というようなことは20世紀までで終わりにしていいよ、別に」などは、巷に溢れるセックスレス問題に対する具体的解決策だと思う。

Posted by ブクログ

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