商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1981/03/11 |
JAN | 9784102014028 |
- 書籍
- 文庫
脂肪の塊・テリエ館
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脂肪の塊・テリエ館
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商品レビュー
3.7
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娼婦の自己犠牲によっ…
娼婦の自己犠牲によって救われながらも、彼女を賤視する人々の欺瞞。皮肉な物語に心惹かれました。
文庫OFF
ブール•ド•スイフに対する男の態度もむっとしたが、女の中にある同族嫌悪が興味深かった。妻と娼婦、尼。みな女性だがどこかで下の存在(娼婦)を持つことで自分は違う、正しいといったような間隔に浸りたいのだろうかと感じた。ラストがあまりにも切ない。満州から引き上げの際、ロシア兵に差し出さ...
ブール•ド•スイフに対する男の態度もむっとしたが、女の中にある同族嫌悪が興味深かった。妻と娼婦、尼。みな女性だがどこかで下の存在(娼婦)を持つことで自分は違う、正しいといったような間隔に浸りたいのだろうかと感じた。ラストがあまりにも切ない。満州から引き上げの際、ロシア兵に差し出された女性たちのことも思い浮かんだ。
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表題の通り、プロシア兵から逃れるさなかの馬車と宿での、金持ちたちと娼婦の様子を描いた「脂肪の塊」と、娼婦たちによるマダムの姪の聖体拝受の見物とその前後のお祭り騒ぎを描いた「テリエ館」を収録。 「脂肪の塊」では金持ちたちの醜悪さが、「テリエ館」では庶民のおかしさが描かれている。 「...
表題の通り、プロシア兵から逃れるさなかの馬車と宿での、金持ちたちと娼婦の様子を描いた「脂肪の塊」と、娼婦たちによるマダムの姪の聖体拝受の見物とその前後のお祭り騒ぎを描いた「テリエ館」を収録。 「脂肪の塊」では金持ちたちの醜悪さが、「テリエ館」では庶民のおかしさが描かれている。 「脂肪の塊」では最後まで視点は金持ちたちにあるものの、たくみにブール·ド·スイフに共感させられ、しかし怒りは行きどころなく終わり、表しがたい読後感であった。 「テリエ館」では多様かつ鮮やかな表現に、引っかかりは皆無でないものの読みながら娼婦たち同様気分が高揚して聖体拝受の儀式の様子をその絶好調で迎え、ひとつの賑やかで楽しいエピソードと読んだ。その裏に皮肉が隠されていたことには後になり気づいた。 どちらも人間の「どうしようもなさ」を描いた作品であると感じさせられ、しかしそれ故につまらなさや冷たさのようなものを感じさせられることはなく、たくみな作品であるとは思うが、個人的には歯切れの悪い読後感が残る。
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