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試行錯誤 創元推理文庫
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試行錯誤 創元推理文庫

アントニー・バークリー(著者), 鮎川信夫(訳者)

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試行錯誤 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 1994/06/01
JAN 9784488123048

試行錯誤

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商品レビュー

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2026/08/20

バークリーの到達点と呼ばれるこの作品。 私はこの作品でバークリー17冊目で、確かにバークリーがこれまで手掛けたミステリのユニークな仕掛け(多重解決、倒叙、心理サスペンスなど)がすべて詰め込まれていて、それぞれの仕掛けが見事に活かし合っていると感じた。 バークリー作品とフランシス・...

バークリーの到達点と呼ばれるこの作品。 私はこの作品でバークリー17冊目で、確かにバークリーがこれまで手掛けたミステリのユニークな仕掛け(多重解決、倒叙、心理サスペンスなど)がすべて詰め込まれていて、それぞれの仕掛けが見事に活かし合っていると感じた。 バークリー作品とフランシス・アイルズ名義とのいいとこ取りのような作品。 正統派の本格ミステリが王道だったこの時代に、これほどひねくれたユニークさとユーモアと皮肉の効いた世界観を盛り込み、フェアな本格ミステリとしても成立させてしまうのだから本当にすごい。 バークリーを読むたびに、ミステリの面白さだけではなく、こんな今までにないものを考えてしまう人は、いったいどんな頭の中をしていたんだろうと思わされる。 唯一無二の面白さで、最後までワクワク楽しませてくれて最高だった。 やっぱり自分はバークリーが1番好きだと再確認した。 でもバークリーの残る未読はあと一冊に。 読みたいけど、読み終わってしまうのが怖くて読みたくない…。 好き過ぎて残り1作がいまだに読めない綾辻行人さんの館シリーズのようになってしまいそう…。 ​紙の本(鮎川信夫訳)は字が小さくて読みづらく、Kindle版(中桐雅夫訳)で再挑戦したら圧倒的な読みやすさに感動した。(フォントサイズの問題だけで、訳はどちらも読みやすい) 紙の本に収録されている宮脇孝雄さんの解説がとても面白かったので、どちらも読めて良かった。 ※ここからは作品の内容に触れています。 ネタバレも含んでいますのでご注意ください。 〈世の害〉というほどではないのに、なぜこの人物が被害者に選ばれたのかは少し気になった。 以前『地下室の殺人』の解説で読んでずっと気になっていた「エドワード八世の結婚」にまつわるバークリーの奇行のエピソード。 今回の解説でもこの話が取り上げられていて、そこから作品について考察されているのがとても面白かった。 エドワード八世の結婚をめぐって、バークリーが自費で私立探偵や弁護士まで雇い、結婚を阻止しようとしたという話。 その件が、もしかしたらこの作品の被害者の設定にもつながっていたのかも…という宮脇さんの考察。 確かにそれを考えると、被害者設定が腑に落ちるし、バークリー自身のなみなみならぬ強い思いが作品に注ぎ込まれているように感じて、この物語がぐっと奥行きのあるものに感じられる。 さらに、この作品を機にバークリーの勢いが急に失われてしまったという話も気になる。 それから日本が意外なところで出てきて、バークリーが日本のことに興味を持っていてくれたことが嬉しい。 やっぱり気になって仕方がなくなる作家だ。

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2022/09/13

 黄金時代の巨匠アントニイ・バークリーが1937年に発表した長編ミステリ。傑作『毒入りチョコレート事件』で見事な推理を披露したチタウィック氏が再登場し、意外な真相を暴き出す。  余命宣告を受けた資産家のトッドハンター氏は、残り僅かな命を有効活用するべく、社会に害をなす悪女ーー舞...

 黄金時代の巨匠アントニイ・バークリーが1937年に発表した長編ミステリ。傑作『毒入りチョコレート事件』で見事な推理を披露したチタウィック氏が再登場し、意外な真相を暴き出す。  余命宣告を受けた資産家のトッドハンター氏は、残り僅かな命を有効活用するべく、社会に害をなす悪女ーー舞台女優ジーン・ノーウッドの殺害を決意する。だが、事件の後に逮捕されたのは無実の人間だった。トッドハンター氏は容疑者を救うべく犯罪研究家のチタウィック氏に捜査を依頼するが……  主人公が自らの有罪を立証するため、弁護士や探偵とチームを組んで奔走するという展開が面白い。本作はトッドハンター氏が〈利他的な殺人〉を決意してから驚愕の結末を迎えるまで、「悪漢小説風」「安芝居風」「探偵小説風」「法廷小説風」「怪奇小説風」とスタイルを変えて展開する。無実の他人に濡れ衣を着せてしまったトッドハンター氏の葛藤が丁寧に描かれており、心理描写を重視したサスペンス小説としても楽しむことができるだろう(「善良な資産家が殺人を計画するまで」を描いた第一章はやや冗長だが……)。  ジーンの死以降もチタウィック氏が積極的に捜査に乗り出すような場面は少なく、普通の探偵小説を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。だが、バークリーらしいユーモラスな語り口によって、読者は哀れなトッドハンター氏をつい応援したくなってしまう。また『毒入りチョコレート事件』で見られた〈どんでん返し〉も健在。本格ミステリというジャンル遊戯的に破壊した怪作である。

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