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夏の椿 文春文庫
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夏の椿 文春文庫

北重人【著】

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夏の椿 文春文庫

722

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2008/01/10
JAN 9784167744014

夏の椿

¥722

商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

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2013/09/25

時代ものでこんなにミステリー仕立てになるなんて。 とても良くできた映画を見たような気分です。 最後は、主人公がどうにかするのだろうなと思いつつ読むも、いわゆる手垢のついた勧善懲悪、大団円にならず、切ない気持ちがやるせなくなりました。 今頃読んだのかよと言うなかれ。未読の方には、強...

時代ものでこんなにミステリー仕立てになるなんて。 とても良くできた映画を見たような気分です。 最後は、主人公がどうにかするのだろうなと思いつつ読むも、いわゆる手垢のついた勧善懲悪、大団円にならず、切ない気持ちがやるせなくなりました。 今頃読んだのかよと言うなかれ。未読の方には、強くオススメしたくなりました。

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2012/07/16

 岡っ引きでも、同心でもないのだから「捕物帖」とは呼べないのかな。  時代推理小説?推理時代小説? 車も電話もない時代。事件の調べも難しい。  それを補って余りある筆の力。  巧みに入り組ませた糸が絡み合い、最後の頁まで導かれる。  事件の回りに描かれた、江戸の町の生活も...

 岡っ引きでも、同心でもないのだから「捕物帖」とは呼べないのかな。  時代推理小説?推理時代小説? 車も電話もない時代。事件の調べも難しい。  それを補って余りある筆の力。  巧みに入り組ませた糸が絡み合い、最後の頁まで導かれる。  事件の回りに描かれた、江戸の町の生活も味がある。  人物もいい。      50歳近くなってから取り組んだ作家仕事と聞けば、それも頷ける。 

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2009/06/20

 天明6年の江戸。時代小説。夏の宵に咲いた白い花。匂いたつ香りに、一瞬のやすらぎがあった。主人公は、旗本の三男坊である立原周乃介。刀剣の仲介、一刀流道場の師範代、そして万調べ事を生業にしている。斬殺された甥・定次郎の謎を追う。調べを進めるうちに出会った遊女、沙羅。彼女が本書のタイ...

 天明6年の江戸。時代小説。夏の宵に咲いた白い花。匂いたつ香りに、一瞬のやすらぎがあった。主人公は、旗本の三男坊である立原周乃介。刀剣の仲介、一刀流道場の師範代、そして万調べ事を生業にしている。斬殺された甥・定次郎の謎を追う。調べを進めるうちに出会った遊女、沙羅。彼女が本書のタイトルである「夏の椿」である。彼女を知る坊主が言った。「陽射しにあらがうような白い花でね。可憐だが、華やかでもある。陽が翳ると、どこか悲しげだ」沙羅双樹のことだそうで、ぴったりの名をあてたものだと思った。定次郎、周乃介を惹きつけた、華やかで悲しい女性だった。この作品は北 重人のデビュー作で、第11回松本清張賞の最終候補だったそうだ。ミステリー色は薄いが、誠実さを感じさせる文章は落ち着きがあり、人情溢れる長屋の人々をはじめ、風情にみちた江戸の町をきれいに浮かび上がらせた。なにより沙羅が壊れそうに美しく、色香を漂わせた。切なく儚い物語に、人生を思った。人生、「あざなえる縄のごとし」

Posted by ブクログ

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