商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 1995/05/01 |
JAN | 9784042047032 |
- 書籍
- 文庫
山師トマ
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山師トマ
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
賛否あるけど、私はめちゃくちゃ好きな作品。 コクトーっぽくない作品のように見えるんだけど、主人公の嘘つきサイコはやっぱり最後は悲惨に終わるあたりは、コクトーだなと。 読んだのが学生の時だった事もあり、 嘘って通し続けたら、いずれ本物になる! なるほどね、悪くないね、新しい考え!...
賛否あるけど、私はめちゃくちゃ好きな作品。 コクトーっぽくない作品のように見えるんだけど、主人公の嘘つきサイコはやっぱり最後は悲惨に終わるあたりは、コクトーだなと。 読んだのが学生の時だった事もあり、 嘘って通し続けたら、いずれ本物になる! なるほどね、悪くないね、新しい考え! って、短絡的な解釈をしたのを覚えてる。 何が虚で何が実なのか? それを決めるのは、本当は誰なのか、何なのか。 嘘は悪なのか?本当に? 嘘の上に成り立つ人生は全て作り物なのか? そこにある生きた証を否定できるのか? 「死んだ真似をしなきゃ殺られてしまうぞ」 この言葉の真の意味とは。 立場が変わった今、再読したらどう感じるのだろう。 気持ちが上書きされる前に、感想を書き残してみました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
丸善は現在、映画「人間失格」のポスターが いっぱい貼ってあります。 この、太宰役の子、かわい過ぎ・・・ 閑話休題、こっちのトマもなかなか魅力的。 でもそれ以上にコクトーの文章が素敵。 翻訳もいいんでしょうが(河野好蔵氏です)。 解説氏がどこかからの引用で 贅肉がなさ過ぎで、骨が透けて見えそうな文体だ、 みたいなことを挙げていました。然り然り。 やたら見得の多いお芝居みたいな感じで 読み進めません ^^ 泥地の歩きにくさを 「乳母のように大きい接吻で捕らえようとする」 なんて言ってました。 実家にあるのは 「リバイバルコレクション」とかで金ぴかピンの 悪趣味極まりない表紙でしたが、図書館のは違いました。 復活文庫、みたいなの。
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トマ、彼は一体誰なのか?真似をし、それを演じる詐欺師であるが、そこに悪意はなく、あくまで無邪気に詐欺を働いている。だからこそ皆はトマを信用する。 トマの臨終の場面は切なさが立ち込める。最後まで詐欺を働こうとし、死を演じるようとする。死に対するトマの無邪気さはコクトー独特の観点に基...
トマ、彼は一体誰なのか?真似をし、それを演じる詐欺師であるが、そこに悪意はなく、あくまで無邪気に詐欺を働いている。だからこそ皆はトマを信用する。 トマの臨終の場面は切なさが立ち込める。最後まで詐欺を働こうとし、死を演じるようとする。死に対するトマの無邪気さはコクトー独特の観点に基づいている。悪意のない悪は悪なのか善なのか、それともどちらでもないのか。 またコクトーは小説の主人公にあるゆる面で無知を与えている。その無知が何をもたらすのか、無知ではなくなったときどうなるのか、コクトーはそんなことを描くことが多い。
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