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百代の過客―日記にみる日本人(上) 朝日選書259
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞社 |
発売年月日 | 1984/07/10 |
JAN | 9784022593597 |
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百代の過客―日記にみる日本人(上)
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百代の過客―日記にみる日本人(上)
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
まずキーン氏の日本文学への造詣の深さに脱帽です。日本人でも存在さえ全く知らない平安・鎌倉時代の日記まで、よく読んでいるものだと思います。面白かったのはあの十六夜日記の強面のイメージしかない、阿佛尼の若い頃の恋の日記「うたたね」、俊成の娘(定家の姉)健御前の日記「たまきはる」など。平安・鎌倉時代の自由な恋愛感情、女心、それが今と全く同じだということに安心のようなものを感じました。芭蕉が日光で詠んだ「あらたふと青葉若葉の日の光」は実は雨の日だったという真実が、むしろ芸術性を高めている?それから冒頭に出てくる、なぜ日本人は日記を書きたがるか?太平洋戦争の頃の日米の軍人の日記の有無の比較は面白かったです。
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戦争中にASTPで日本語を学んだというドナルド・キーンが書いたということで、興味を持った。彼が直接日本語を書いたわけではないが(そこが惜しいところ)、内容が非常におもしろい。 「日記」に対して文学的価値を置くのが世界的にまれだということを知った。 そもそも、そうだよな。日記って誰かに読まれたいものではなく、個人的な備忘録としての機能を果たすためのものだよな、と思った。しかし、彼はそこに鋭い視点を投げかけ、誰かに読まれることを(読まれたいことを)前提として書いているというのだ。 しかも、「日記」に着色はないから、実は「事実」とされていることが嘘で、「日記」の方が真実という、逆転の現象がおきうるのだ。 そんなこと今まで考えてもみなかったな。 「鎌倉時代」さしかかるところでストップ。 追記*蜻蛉物語がおもしろい。 以下抜粋。この世に自分より深く苦しんだものは誰ひとりいないと確信し、読者にも、自分の不幸をたっぷりと味わわせようと、彼女は心に決めていたのである。(P35) この作品は、全篇が作者の悲しみの記述で彩られている。二、三の学者は、なるほど彼女は我が身の不幸せをかこってばかりいた。しかし、本当は幸せだったのではなかろうかと言っている。ある意味では、これは正しい。兼家が最も疎遠であった時期でさえ、彼からの物質的援助が途絶えたことはなかったし、他の多くとの情事はあっても、兼家は彼女を忘れたことはなかったのである。夫の新しい情事の旅に、彼女は憤っている。だが彼女自信が兼家の第二の妻となった時に、彼女がわが身だけにふりかかった苦難と思っているのと、まさに同じ苦しみを、兼家の第一の妻も経験したはずである。ところが、作者はそこのこところには、一向に思いが及ばなかったようである。
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Amazonの古書で新品同様が安く手に入りました。さっそく読んでいます。猛暑に扇風機で平安の日記レビューを読むのもおつなもの。半分ほど読んだ。蜻蛉日記と和泉式部日記を読みたい、そういう気分になる本はいい本だと思う。
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